「どんなふうに私を楽しませてくれますか」 婚活デートにおける女高男低の実態

石神賢介 57歳からの婚活リアルレポート ライフ 2020年12月5日掲載

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欲望の量が違う男女の関係は成立しない?

 婚活で苦戦していたとき、以前婚活パーティで知り合った40歳で華道の先生をやっているユキコさん(第7,8回)から食事のお誘いがあった。婚活がなかなかうまくいかない時期の女性からの連絡には、心が救われる。まだ見捨てられていなかった、とすら感じる。

 ユキコさんからのリクエストは横浜へのドライブだった。中華街で食事をしたいという。横浜中華街の店は大きく2系統ある。一つは、萬珍樓や聘珍樓のようなメジャーな名店。もう一つは、中華街ならではの小規模な店。こちらは、餃子のおいしい店、海鮮料理に強い店、中華粥専門店など、それぞれ個性を発揮している。ユキコさんが餃子が食べたいというので、中華街大通りからひと筋入った水餃子のおいしい店を選んだ。そこでお腹を満たした後は本牧へ向かった。かつて米海軍の住宅街があった本牧エリアには、今もアメリカナイズされたバーやダイナーがある。

「今日こそは試してみる?」

 アルコールが入り気持ちが高揚したユキコさんがお誘いしてくれた。

「ううーん……」

 こちらはすぐに応じられない。彼女にはその方面の欲が強いという話をさんざん聞かされている。

「自信、ない?」

「ユキコさん、朝までなんでしょ?」

「うん。でも、朝までしなくてもいいよ。眠らないで、話し相手になってくれれば。私、した後は目が冴えて眠れないんだ。一人で起きているのが怖いの」

 正直なところ、腰は引けていた。ことの後、朝まで起きている自信はない。このときすでに11時。かすかに眠気が訪れて来ていた。

 しかし、ここでしないのは男子として情けない。そのまま、みなとみらいエリアのホテルにチェックインすることにした。ツインルームを一部屋確保できた。

 ホテルへ向かうクルマの中、ユキコさんは遠足へ行く小学生のようにはしゃいでいる。途中、深夜営業のスーパーに寄り、飲み物や食べ物を買い込んだ。

 そして客室で……。

 僕は不合格の烙印を捺された。1度目は問題なくやれたと思う。しかし、時間を置かずリクエストされて苦戦した。もはや体力の限界。それ以前に睡魔には抗えなかった。

 年齢を重ねた婚活において、とくに年齢が離れた男女において、夜の相性は大切な問題だ。たとえ心が通じ合っても、体力や欲の量に著しい差があると、不満が生じる。そのギャップを埋めるのは難しい。そんなことを痛感した一夜だった。

石神賢介(イシガミ・ケンスケ)
1962(昭和37)年生まれ。大学卒業後、雑誌・書籍の編集者を経てライターになる。人物ルポルタージュからスポーツ、音楽、文学まで幅広いジャンルを手がける。30代のときに一度結婚したが離婚。

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