「もう休ませて下さい!」 婚活バスツアーはこんなにハードだった

石神賢介 57歳からの婚活リアルレポート ライフ 2020年10月17日掲載

  • ブックマーク

 結婚を目指す男女が親睦を深める一日イチゴ狩りツアー。参加者の中では年配者になるのは承知の上でフリーライターの石神賢介氏は参加してみた。懐かしの修学旅行のようで、参加者たちのテンションは上がる。石神氏も持ち前のコミュニケーション能力を発揮して会話は弾んだのだが、バスツアーゆえのハードな面もあったという(ツアー実施は2019年です)。

(文中の紹介文、登場人物はプライバシー保護の観点から一部を変更してあります)

 ***

 バスは首都高を走っていく。都内を西側へ抜け川崎から東京アクアラインで東京湾を横断して房総半島に上陸するルートだ。

 首都高の路面はガタガタだ。左からも右からも合流があり、バスは頻繁に車線変更をくり返す。車内で、立ったり座ったりしながら会話を行う男性参加者はつらい。案の定、出発30分後には、何人かが乗り物酔いをうったえた。そのうち2人は婚活トークの流れから脱落し、空いている後部のシートで体を横たえている。

 サービスエリアに着くと、手で口をふさいでトイレに駆け込む男もいた。酔い止めを飲んでおいてよかった。

 サービスエリアのトイレでは男性参加者と連れションになる。

「いい感じの女性、いましたか?」

 横並びに小用をする30歳くらいの男性に話しかけられた。

「いやあ、みんないい人に見えてしまいます」

「わかります。修学旅行みたいで、テンションが上がっているからでしょうかね」

 そんな会話を交わしながら、小用を足す。婚活の場で同性と話すのは初めてだ。

 バスは海を渡り、房総半島に上陸し、内陸へ入っていく。その間も相手を替えながらお見合いは進む。女性参加者は全員年下だが、会話を続けるうちに相手との年齢差は意識しなくなっていた。

 通常の婚活パーティーは、年齢によって細分化されている。50代が20代と会話できるケースは極めて少ない。一方、まる一日かけて行う婚活バスツアーは当然、開催本数は少ない。だから、年齢枠の分け方も大雑把だ。その結果、20代も50代も同じバスに乗せてしまう。若い女性と知り合いたい男に向いている企画だ。

 それに、婚活バスツアー参加者は時間とお金をかけている。参加者の真剣度が高い。実際、会話をしたほとんどの女性に好印象をもった。

 房総のリゾートホテル内のチャイニーズレストランでランチをとるころにはすでに女性全員と会話を終え、男性の何人かとはサービスエリアでコミュニケーションをとっているので、全体的になんとなく同志的な空気になっていた。

次ページ:イチゴ狩りと牧場散策

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]