灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(47)

国際Foresight 2019年5月3日掲載

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 あきは青山の自宅で、義江の活躍を報じる外電の新聞報道が何よりも楽しみだった。

 ニューヨークからは、ビクターの赤盤歌手として2度目のレコーディングをしたこと。サンフランシスコからは、のどに6万円10カ年の保険をかけたことなどが記事になった。

 あきもせっせと手紙を送り続ける。便箋は銀座の鳩居堂に作らせたオリジナルで、藤の花とイニシャル「A」が朱色に刷り込まれている。

 離婚への進捗具合とそこから生まれる兄との確執、そして義江への募る愛。

 すべてを便箋に書くことによって、その気持ちははるか海の向こうの義江に乗り移っていく。...

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