灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(41)

国際Foresight 2019年4月27日掲載

  • 共有
  • ブックマーク

「娘たちを産んでも私は処女なの」

 というあきの言葉は終わりを迎えた。

 長い間の孤独な気持ちから一転、好きになった男との初めての朝を迎えたあきの頬はまん丸に輝いていた。

 このまま、どうかこのまま、時が止まりますようにと願う。

 自分もいつの日かこの世を去るであろう、その時に思い出すのはこの光り輝く朝の景色かもしれない――。

 2人は箱根から帰ってからもお互いに夢中になり、人目を忍んで逢瀬を重ねた。

 あきの娘が夏休みに入り家に居る時間が多くなった。...

記事全文を読む