東野幸治が描く“中山功太伝説”「山里亮太に『才能は一番だけど、人間性が悪い』と言われた男」

芸能週刊新潮 2019年3月7日号掲載

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 東野幸治が仲間たちの秘話をつづる連載「この素晴らしき世界」。今週のタイトルは「ブレイク前夜芸人、中山功太(3)」。

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 自業自得でタレント「コウタ・シャイニング」に改名することになった中山功太君の話の続きです。

 コウタ・シャイニングこと中山君はいちいち面倒臭い男で、ブログやツイッターを普通に始められません。

「酒焼けした声でやたらツッコんでくるキャバ嬢ぐらい嫌いやったブログを再開する」「全身同じ服で手を繋いで歩くゴスロリファッションの2人組ぐらい嫌いなツイッターを始める」

 ねぇ、面倒くさいでしょう? 私が中山君の親だったら「功太、もう気が済んだか!? 芸人は諦めて真面目に働け!」と言うでしょう。それが普通の親です。ところが中山君の親は違いました。なんと中山君のお母さんはお笑い芸人になるために大阪NSCに入学したのです。同期は8・6秒バズーカーで、芸名はアケミ・シャイニング。モモレンジャーの格好をして「モモレンジャーのその後」というピンネタで勝負しています。そして中山君のことを「功太」と呼ばず、「兄さん」と呼んでいるとか……。

 これはどう考えても時間も重量も光もない無間地獄の最果ての地、「漆黒」に到達したことの証だと思われます。実は中山家、かつての栄光から一転、お父さんの会社は倒産。お母さんはアルバイトを3つ掛け持ちしながら生活を支え続け、そんな人生に少し疲れたためか、「ここではないどこか」を求めて芸人になる決意をしたそうです。

 すぐに、「このオカンは面白い!」と業界でも話題となり、人気深夜番組「アウト×デラックス」にお母さんが出演することになりました。息子のコウタ・シャイニングは付き添いです。収録では、自分のことよりも母として「息子はどうやったら売れるか?」という相談をしたというから泣けてくるのですが、その質問に対して番組レギュラーで中山君の同期、南海キャンディーズの山里亮太君が「才能は一番だけど、人間性が悪い!」と言い放ちました。あの「人間性が悪いで有名」な山里君に言われてしまうとは……中山君、きみは面白いんじゃないのか? どこでボタンの掛け違いがあったんだ⁉ ズボンを穿き間違えたのか? それとも最初からズボンを穿いてなかったのか?

 中山功太君、お笑い界もテレビ界もあなたの周りも、ゆっくりだけど確実に動いています。そろそろ出番じゃないですか?

 悪い話ばかりではありません。私には吉報も届いています。最近中山君は、加齢から髪の毛が薄くなり、それに伴い考え方も少し穏やかになっているみたいです。そして芸名をコウタ・シャイニングから中山功太に戻しました。何よりホッとしました。

 お笑い界で言われている言葉があります。

「面白い芸人はいくら時間がかかっても絶対に売れる」

 実際、同期のとろサーモンがM-1グランプリで優勝しました。中山君より確実にクズと言われているあのとろサーモン久保田かずのぶ君が、それ以来テレビに出ています。そして憎まれ口を叩いては、炎上しています(今は猛省中です)。歪んだ顔で美味しそうなハンバーグをクチャクチャ食べる久保田君、案の定スタッフからの評判もあまりよくはありません。それでも面白いから仕事が来ます。

 中山功太君、とにかく早く売れて下さい。なぜならあなたの後ろには2013年R-1チャンピオンの三浦マイルド君がスタンバイしていますから。あなたが売れないと彼の順番がきません。彼はあなたより重症です。早く人気者になって下さいね。

東野幸治(ひがしの・こうじ)
1967年生まれ。兵庫県出身。東西問わずテレビを中心に活躍中。著書に『泥の家族』『この間。』がある。