【ブックハンティング】「愛しい死者」に慰められる「心の不思議」

国際Foresight 2019年3月1日掲載

  • 共有
  • ブックマーク

 2004年12月クリスマスの翌朝、スマトラ沖の巨大地震により生じた津波がスリランカ南岸を襲う。海岸のホテル滞在中の経済学者ソナーリ・デラニヤガラは、一瞬にして夫のスティーブと2人の息子ヴィクとマッリ、そして両親をうしなった。

 本書『波』(ソナーリ・デラニヤガラ著 佐藤澄子訳)は、その後8年間、彼女が回想というよりも、むしろ目の前に見、声を聴き続ける、亡き家族とのやり取りの日々を描いたものである。

 彼女の最初の反応は自殺することだったが、夜も昼もそばにいる献身的な友人たちが彼女を護った。...

記事全文を読む