女性脳科学研究者が教える、妻や彼女からの「私のこと、好き?」という質問への正しい答え方

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 男と女、あるいは夫と妻のあいだに起きるいさかいは、常に多くの人の悩みのタネである。

「なぜあんな言い方しかできないのかしら」

「なぜあんなことで怒るんだ」

 双方に言い分があり、自分のほうが正当だと信じている。いまこの瞬間にもこの手のケンカが世界中で起こっているにちがいない。

 この「男女の違い」は普遍的なテーマなので、小説やドラマ、バラエティーでもしばしばとりあげられる。最近では「林先生が驚く初耳学!」(TBS系)で、林修先生が「妻の怒りを買わないための会話術」をレクチャーしていた。また、朝の情報番組「スッキリ」(日本テレビ系)でも同様のテーマを特集。2つの番組で参考にされていたのが、女性脳科学研究者・黒川伊保子氏の説である。

 黒川氏には、こうした「男女の違い」をテーマにした著作が数多くある。

 そのうちの一冊『夫婦脳 夫心と妻心は、なぜこうも相容れないのか』では、多くの男性が一度は経験した、女性とのやり取りが見事に分析されている。

「私のこと、好き?」という類の質問のリピートだ。

同じような質問を何度も浴びせられて、面倒くさくなった経験を持つ方は少なくないだろう。

「いや、それ、昨日も答えたよね!」

 ついそんなことを言ったら最後、さらに面倒な事態が待っているのだ。

 なぜ女性は同じことを聞くのか。同書をもとに見てみよう(以下、引用は『夫婦脳』より)。

「私とこうしていて、嬉(うれ)しい?」

 黒川氏自身、こうした質問を何度も繰り返したことがあるという。

 最初のうちは、嬉しそうにうなずいていた男性も、そのうち「さぁ、どうかな?」「あなたはどうなの?」とはぐらかすようになった。

 男性側からすればちょっと変化をつけた程度なのだろうが、「さぁ、どうかな?」の時には黒川氏はかなり傷ついたのだという。

「ま、よくよく考えたら、オトナの男が定型の肯定を繰り返すのも芸がないと思った、彼なりの演出なのだろうけど、これは余計なお世話である。女は、わかりきった定型の答を、飴玉(あめだま)を舐(な)めるように何度も舌の上で転がして楽しみたいだけなんだから。

 女同士なら、『あなたの新しい髪の色、素敵ね』『そう?』なんて会話を、何度でも楽しめる。『あなたの髪、やっぱりいいわね。肌まで綺麗(きれい)に見えるもの』『ふふふ。珍しく、彼も褒めてくれたのよ』というふうに、バリエーションをつけて、何度でも。

 したがって、相手の男に飽きないかぎり、女は『好き?』『もちろん、好きだよ』みたいな会話を毎日だってやっていられるのである。

 つまり、男は、女から定型の質問を受けているうちは、惚(ほ)れられていると思って間違いない」

 教訓はこういうことだ。

 同じような質問に対して、妙な工夫は必要ない。定型の質問には定型の答えを飽きずに返せ、ということになる。

「欧米の男たちが、自分からパートナーに小まめに声をかけるのは(聞かれなくたってしょっちゅう『愛してるよ』『きれいだよ』と言っているのは)、彼らが日本男性より女好きだからではない。彼らとて男性脳だから、面倒くさいのは山々なのである。けれど、ことばの飴玉を与えておけば、女たちが機嫌よく暮らしてくれるのを知っているから、そうするのだ」

 黒川氏は「愛してる?」と聞かれた男性は、自分がいかに愛しているかを答えることに専念すべきで、間違っても「きみは?」などと問い返してはいけない、ともアドバイスしている。女性から「いつも同じ答えかよ!」とつっこまれないうちは、面倒くさがらず飴玉を味わってもらうのが良さそうだ。

デイリー新潮編集部

2019年2月5日掲載

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