灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(4)

ライフForesight 2018年7月29日掲載

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 藤原あきが明治の時代に皇族や旧大名一家の娘たちと肩を並べて、いや、それ以上の教育を受け物質的にも豊かな暮らしがなぜ出来たのであろう。

 それには、父親の中上川(なかみがわ)彦次郎について知る必要がある。

 彦次郎は嘉永7(1854)年、中津藩の金谷森ノ町に豊前国(大分県)中津藩藩士・中上川才蔵の長男として生を受ける。母親は福澤諭吉の姉・婉(えん)だ。

 父の才蔵は十万石大名の奥平家に仕え、中津藩士の給与となる米を管理し、大阪方面に売る米の出納係をしていた。...

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