石破茂・元自民党幹事長は慶大時代、“ヤマかけ講座”で佳子夫人に接近した!

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15年の自民党総裁選は無投票

 弛緩の問題は、「森友・加計学園問題」や「財務省前事務次官のセクハラ問題」と書くだけで充分だろう。野党が力を持っていれば、次の総選挙で政権交代が起きてもおかしくなかったはずだ。

 政策の先鋭化といえば、例えば安保関連法の成立だ。世論調査で「安倍政権を支持する」有権者であっても、心の底から安保関連法案の成立を願っていた層は少数派だろう。それよりも「景気回復」のほうが、常に切実な問題に違いない。

「総理大臣に『あなたの代わりが存在します』と言える政治状況にならない限り、政権は国民の声に耳を傾けません。健全な議会制民主主義の実現には、政権に緊張感が必要です。それは与党と拮抗する野党か、与党内の強いライバルが登場して実現するのです。現在の野党については有権者の大半が怒っているので割愛しますが、私が問題視したいのは自民党のライバル不足です。その象徴として2015年の自民党総裁選が挙げられます」(同・鈴木氏)

 同年9月8日に告示された総裁選では、安倍首相(63)以外に立候補者はいなかった。総裁選が無投票となったのは01年以来だったが、これは4月に小泉純一郎総裁(76)が誕生し、任期の関係から同じ年の8月に再び総裁選が行われたという、やや特殊な状況だった。

安倍首相の“ライバル”を紹介する意味

「今年は石破茂さんと、推薦人を確保できれば野田聖子さん(57)も出馬するでしょう。安倍首相のライバルが登場し、政策論争を闘わせるわけです。安倍首相については政権を担っているわけですから、その政策も分かっているし、毎日、ニュースで取り上げられる。対して『ライバルはどんな人だろう』という好奇心を持つ人は少なくないはずです。こういう考えから、今回、著作を上梓しました」(同・鈴木氏)

 政治家に限らず、どんな人間であっても、実像を知るには生い立ちの把握は欠かせない。

 例えば寒村で多数のきょうだいに囲まれた人間と、都市部に一人っ子として育った人間では、もちろんバックグラウンドが異なる。性別の違いもあるし、学歴も異なるだろう。政治家には、そうした様々な違いを持っていて、それは政策や国家観の違いを生むかもしれない。

「様々な政権構想を掲げた政治家が立候補して総裁選をきちんとやる。それこそが与党自民党の矜持だし、懐の深さではないか。そのためには、安倍さんのライバルとなる政治家を多くの人に知ってもらうことが必要です。いいライバルがいてこそ、安倍首相も政権も成長するのではないでしょうか」(同・鈴木氏)

 人間性を伝えるため、『石破茂の「頭の中」』の本文は、鈴木氏のインタビューに答えた石破氏の言葉や表現を、そのまま綴っている。そこに鈴木氏のコラムが挿入されるという構成だ。

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