血圧の薬って一生飲み続けなくちゃいけないの? 専門家の回答は――

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 病院で高血圧を指摘されて、薬を勧められた場合に「いつまで飲み続けなければいけないのか」が気になるところ。同じ高血圧の知り合いから「一生だ」と脅された、なんて話も聞くが、実際はどうなのか。

『血圧と心臓が気になる人のための本』著者の、古川哲史・東京医科歯科大学・難治疾患研究所教授は、

「それはあなた次第です」と答えることにしているのだという。

 そんな無責任な?! と思われるかもしれない。が、実のところ生活習慣を変えることで、薬の飲み方も変わってくるのだ。

「高血圧の程度が軽度だった人に限ってみると、降圧薬中止後、塩分制限だけでも行うと、1年後の血圧が正常に維持される人が78%、5人に4人が高血圧の薬をやめることができるというデータがあります」

 塩分制限の他にも、体重のコントロール、そして禁酒が効果的だというが、禁酒については、

「飲酒にはリラックス効果もあり、酒好きの人が無理に禁酒するとストレスがたまって血圧が高くなる」と主張する人もいるとか。逆に、「飲酒をすると、血圧を上げる交感神経が刺激されて、さらにつまみにも塩分がたっぷり。飲酒は血圧を上昇させる」という人もいるそう。結局、どっちがいいの?といえば、

「体重をコントロールすると、最初の2~3週間で血圧がグンと下がります。これに気をよくして、さらなるダイエットに励んで実際に体重が減っても、血圧は期待ほど下がりません。でもここで諦めると、体重と共に血圧もリバウンドしてしまいます。長い目でみて、無理なく体重のコントロールを行うことが大切です。同じように、お酒も無理なく控えることが重要で、禁酒するとイライラするのであれば、酒量を減らす、あるいはつまみを野菜スティックにするなどして、塩分を減らす工夫だけでも心がけてはどうでしょう」とのこと。

 一生薬を飲むか、あるいは塩、酒、体重を減らすよう心がけるか。年末年始、暴飲暴食が続く人は、ちょっと気に掛けるだけでも随分違うかも。

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