新垣結衣ドラマを録画視聴率1位に 「恋ダンス」振付師

芸能 週刊新潮 2016年12月8日号掲載

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 今年の忘年会の宴会芸ナンバーワンは「恋ダンス」で決まりである。先頃発表された「録画視聴率」でトップになった「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)の主役・新垣結衣の妙な踊りが、ネットで大人気なのだ。振付けたのはカリスマと呼ばれる女性である。

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妙な踊りがネットで大人気

 そもそも「録画視聴率」(タイムシフト視聴率)とは、ドラマの低迷に頭を悩ませるテレビ界がひねり出した数字である。いわく、リアルタイムで観る番組と、録画される番組は視聴者が違うのだという。

「これまでのリアルタイムの視聴率は主に高齢者が観ている数字なのに対し、録画で観る視聴者層は購買意欲の高い若者が多いのです。録画はCMを飛ばされるリスクがありますが、スポンサーも無視はできません」(テレビ局関係者)

 その録画視聴率で13・7%を記録し、1位になったのが「逃げるは恥だが役に立つ」である。

 ドラマは派遣切りにあった主人公(新垣)が、独身サラリーマン(星野源)の家に転がり込み、家事を請け負う代わりに契約結婚するというコメディだが、内容もさることながら話題になったのが、エンディングで新垣や星野らが踊る「恋ダンス」だ。放送が始まると、視聴者が踊りを真似た動画を続々と動画サイトにアップし、公式動画の再生回数は3800万回にのぼった。

 最近では、フィギュアスケートの羽生結弦も「恋ダンス」を披露して話題になったが、パントマイムのように手や足を動かすのが特徴だ。あまり格好良いとはいえないが、新垣が踊るとなぜかやってみたくなる。

「視聴者は録画しておいてダンスを覚え、それを動画で披露する。皆が踊りを真似たAKB48のヒット曲『恋するフォーチュンクッキー』のパターンと同じ。まさに『恋ダンス』がドラマをヒットさせたといえます」(同)

■リオの閉会式も

今やダンスの世界では、最も忙しい振付師(写真提供:アミューズ)

 このダンス、振付けを担当したのは「MIKIKO」という、その世界では有名な女性である。
 本名は公表していないが、現在39歳、女性3人の音楽ユニット「Perfume」やアイドルのヘビメタバンド「BABYMETAL」の振付けを担当するほか、ソニーやキリンビールのCMで披露されるダンスも彼女の手によるものだ。最近では、安倍総理がスーパーマリオに扮したリオ五輪の閉会式でもダンスチームの演出を手掛けている。

 知人の石川浩子氏(日本女子体育大学講師)は、

「MIKIKOは広島出身で、ストリートダンスをやっていたんです。最初に会ったとき、踊りは上手だし話してみると素直な子だったから、MAX(沖縄出身の歌手グループ)のバックダンサーに応募しないかと誘ってみたのです」

 これがきっかけでプロになると、大手プロ「アミューズ」会長の勧めで演出も手掛けるようになる。「Perfume」のヒットで名前が知られると、仕事も殺到し、一昨年にはレディー・ガガの前座も任された。今やダンスの世界では、最も忙しい振付師なのだが、ご本人に聞いてみると、

〈(恋ダンスは)流行ると思っていませんでした。曲を聞いたら脳内でこの振り付けが再生されたら嬉しいなと思っていました〉

 と文書で返事をくれた。役者と演出が決め手といわれたドラマが、今やダンスに左右される時代とは、テレビ界にとって「悲劇」か、それとも「喜劇」なのか。

ワイド特集「1度目は悲劇 2度目は喜劇」より