菅義偉と創価学会 かつての敵が学会にとって“歴代最も与しやすい首相”になるまで

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菅=佐藤ラインの威力

 菅義偉首相と創価学会の佐藤浩副会長は、《盟友》と評されるほど緊密な人間関係を築いていることは、これまでに何度もマスコミに報じられてきた。それでも、一般の人は「佐藤浩」という名前を初めて知ったという方も多いだろう。

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《盟友》という言葉を使ったのは、経済誌の「週刊エコノミスト」(毎日新聞出版)だ。

 電子版の「週刊エコノミストOnline」は9月25日、社会情報大学院大学の北島純特任教授の署名原稿を配信した。

 タイトルは、以下のような具合だ。

《デービッド・アトキンソン氏の提言で観光立国を推進、創価学会の佐藤浩副会長と盟友関係、大阪維新の会とも太いパイプ……菅新首相の政治力を支える「人脈」の正体》

 その関係が、どれほど緊密なのかを報じたのは朝日新聞だ。9月18日と19日、企画記事の「実像 菅義偉首相」が紙面に掲載された。

 18日の見出しは「脱派閥掲げつつ“菅派”着々 若手ら勧誘『政治はやっぱり数』」というものだが、この記事の中に、2人の緊密な結びつきが描写されている。

 2015年、消費増税に際して軽減税率を導入するのか、導入するとして範囲をどこまで広げるのかといった問題を巡り、自民党の一部と公明党が対立したことがあった。

 この時、菅首相と佐藤副会長が《介入》する場面が朝日新聞には描かれている。

2人で決めた軽減税率

《官房長官だった菅は党執行部の頭越しに調整に介入した。10%へ税率を上げる際の低所得者対策として公明は食料品を8%にとどめるよう主張したが、自民や財務省は渋っていた》

《菅は公明の支持母体・創価学会副会長の佐藤浩から「軽減税率の導入なしに選挙は協力できない」と告げられた》

《佐藤とは国会議員に当選後、菅の選挙区の神奈川で活動していた縁で知己を得た。官房長官に就いてからは政権中枢にいる自身の力と、佐藤が持つ選挙での集票力とを互いに頼んで足場を強化していった》

《菅は首相の安倍晋三を説き伏せ、自民党税調会長を交代させてまで公明の言い値で決着させた》
(註:全角数字を半角にするなど、デイリー新潮の表記法似合わせた、以下同)。

 菅首相と協力し、公明党の頭越しに軽減税率を導入させてしまう──。この《佐藤副会長》とは一体、どのような人物なのだろうか。

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