日本を上回る勢いで増え続ける韓国の“外国人妻” 4割強がDV被害の惨状

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韓国中の怒りを招いた「隠し撮り動画」

 集合住宅と思われる一室で、うずくまる女性を殴打し続ける上半身裸の男。傍らでは幼児が立ちつすくしたまま泣き叫んでいる――。韓国で今年7月、約2分半のこんな動画が全国民的な関心を集めた。男は韓国西南端のさびれた田舎町、全羅南道霊岩郡に住む36歳の溶接工。女性は、ベトナムからやってきた30歳の内縁の妻だ。

 動画を撮影したのは、女性本人。DV(家庭内暴力)の被害届を出す際の証拠にするため、室内の一角に置いたスマホでこっそり録画したという。それが知人経由でSNSに投稿され、一気に拡散したわけだ。

 非力な外国人女性への容赦ない暴力に、ネットでは怒りの声が殺到。大統領官邸ウェブサイトには、犯人を厳罰に処すよう求める署名まで寄せられた。男は動画が拡散してから2日後、傷害と児童虐待の疑いで逮捕されている。

 この動画が韓国で大きな注目を浴びた理由は、単に内容が暴力的でショッキングだったからというだけではない。背景には、かねてから外国人妻に対する暴力が根深い社会問題となってきた事情がある。

ピーク時には7組に1組を占めた国際結婚

 韓国は、日本に比べて国際結婚が多い。2018年の国際結婚件数は、2万2698件。婚姻数に占める割合は、日本の3.4%(2016年)に対して8.8%だ。

 韓国の国際結婚は2000年代前半を通じてに急増し、2005年に4万3121件でピークに達した。同年の割合は実に13.6%だ。以後は2010年を除いて減少が続いたが、2016年の2万591件を底としてまた増加に転じた。婚姻数全体が毎年過去最低を更新するなか、国際結婚だけが件数を伸ばしている格好だ。

 日本も韓国も、自国の男性と外国人女性との婚姻が国際結婚の約7割を占める。韓国はピークの2005年で72.3%、2018年で73.2%と、割合はほぼ変わらない。

 その相手としてかつて最も多かったのは、韓国語が通じる「朝鮮族」。つまり韓国系中国人女性だ。だが2016年からは、ベトナム人女性が最多となっている。2018年には、6338人のベトナム人女性が韓国人男性の下へ嫁いだ。反対に韓国人女性と結婚する外国人男性は、アメリカが最多で1439件だ。

 国際結婚の平均初婚年齢は、男性が36.1歳、女性が28.1歳(2017年)。また男性が10歳以上年長の夫婦が、全体の39.5%を占めている(同)。これに対して韓国人平均の初婚年齢は、男性33.2歳、女性30.4歳(2018年)。つまり中年男性が若い外国人妻を娶っている、というのが平均的な構図だ。

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