石川遼が3年ぶり劇的V! 倉本昌弘氏から「永久シード」太鼓判

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 この4ラウンドは、まるで石川遼(27)のゴルフ人生そのものだった。

 鹿児島県・いぶすきGCで行われた日本プロゴルフ選手権。第1ラウンドの石川は65をマークし首位発進。2007年の史上最年少ツアー優勝のときのような鮮烈な輝きを放った。

 第2ラウンドも67で首位を堅持。プロ2年目で賞金王を戴冠し、順風満帆だった往時を彷彿させた。

 第3ラウンドは暗転。連続ダブルボキーなどで一気に崩れ、一時は首位から7打差まで後退してしまう。スコアは71。あたかも13~17年の米ツアー挑戦のような艱難辛苦に見舞われた。

 だが、首位と4打差の6位タイでスタートした最終ラウンドは、元の姿を取り戻し、バーディを重ねて66でホールアウト。首位の黄重坤(ハンジュンゴン)(27)に並んだ。

 そしてプレーオフ。石川はグリーン上で雄叫びを上げた。イーグルパットを沈めたのだ。そして涙。実に3年ぶりのVだった。

「第1、第2ラウンドを一緒に回りましたが、いいゴルフをしていました。アイアンショットは距離感も方向性も合っていたし、ドライバーは球を捕まえて打つ工夫が見られました」

 と語るのは、大会主催者である日本プロゴルフ協会の会長で、永久シード保持者である倉本昌弘氏。

「彼と何度も一緒にプレーしていますが、今は10代の頃の勢いのあるゴルフとは違います。挫折を味わったことで、自分なりに感じて工夫して、年齢なりのゴルフをやっているなという印象を受けます。無理して狙いに行かず、狙えるときに狙うゴルフです」

 これで通算15勝。5年シードを得て、再び米ツアーに挑戦する道も開けた。

「間違いなく言えるのは、彼はこれからの日本を背負っていくプレーヤーであり、当然、永久シードの仲間入りをするべき選手である、ということです」

 永久シード獲得まであと10勝である。

週刊新潮 2019年7月18日号掲載

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