「長嶋茂雄」緊迫の特別病室 腎臓機能も低下、感染症で一時“危篤状態”に…

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長期戦を覚悟

 読売グループ関係者の話。

「感染症を抑えるのがうまくいかず、一時、危篤状態に陥ったが、なんとか持ち直した」

 総合内科専門医の秋津壽男氏が言う。

「長嶋さんは胆嚢炎になっている可能性が高い。腎臓については、胆嚢炎の治療に使う抗生物質の副作用によって機能が低下していることが考えられる」

 フェニックスメディカルクリニック外科部長の小島健司氏も、

「胆石性胆嚢炎の可能性が高いと思います。これは胆石によって胆嚢の出口が詰まり、胆汁を胆嚢の外に出すことが出来なくなり、たまった胆汁が胆嚢粘膜を傷害したり、細菌がつき化膿することで胆嚢に炎症が起きます」

 とした上でこう語る。

「また、胆嚢出口近くの胆石やそれによって起こる炎症が胆管を圧迫すると、胆汁が流れにくくなり、黄疸が出ることもあります。これはミリッツィー症候群といいます。あと、胆嚢のすぐ隣には肝臓があり、胆嚢で炎症が起こると、肝臓にも及びやすく、炎症が肝臓に及ぶと、血液に乗って全身に細菌が回ってしまう菌血症を起こす可能性があります。当然、肝機能も落ちるし、全身に炎症反応が回ると、腎機能も低下することも考えられます」

 長嶋家の事情に詳しい関係者(前出)が言う。

「もちろん内臓関係も心配なのですが、それよりも悩ましいのは、歩行がままならなくなっていること。トイレに行くのがやっとで、90歳のヨボヨボのおじいさんのようになってしまっている。あと、胆石があるとすぐに腰とかお腹が痛くなる。それもあってゆっくりとしか歩けない。入院前の状態に戻すには、相当時間がかかると思います」

 無論、そのことに最もショックを受けているのはミスター本人に違いない。予断を許さない状況が続く緊迫の特別病室。全ての国民が、ミスターの今一度の復活を祈っている。

週刊新潮 2018年8月30日号掲載

特集「黄疸50日『長嶋茂雄』 緊迫の特別病室」より

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