“女性は土俵から…”で批判 22歳行司の入門履歴書

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中学卒業後に入門

 それだけではない。騒動後の巡業先、兵庫県宝塚市の女性市長からは、土俵下での挨拶は「女性差別」だとの声が上がった。下村博文元文科大臣からも、女性総理が誕生した際に、表彰は土俵下で行うのかという苦言が飛び出す始末。協会への嵐は吹きやむどころか、日増しに強まるばかりだ。

 では、この事態を招いた行司とは、どんな人物なのか。行司と言えば、今年1月に、酔って後輩の行司にセクハラして話題になった式守伊之助を思い出すが、

「アナウンスしたのは、愛知県出身の三段目行司です」

 と、相撲ジャーナリスト。

「協会は、観客から女性が上がったことを疑問視する声が出たため、動転した若手が言ってしまったと言い訳しました。彼は中学卒業後に入門し約8年なので、この世界ではまだ若手です」

 行司は、それぞれ相撲部屋に所属し、力士と共同生活を送る。その仕事内容は、土俵での裁きだけでなく、番付表書きから、巡業の手配まで様々な雑用を行い、今回のように巡業先では進行係もこなすことになる。

 行司の所属部屋関係者は、

「アナウンスは最初に駆け付けた女性2人に対してではなく、その後、別の女性が上がったため、混乱を防ぐ意味だったと聞いている。周りが勝手に意味を取り違えて批判が大きくなってしまい、行司本人は落ち込んでいますよ」

 自分たちは正しく、世間が誤解をしたと言わんばかり。その考えが、騒動を招いたとは気付かないようだ。

週刊新潮 2018年4月19日号掲載

ワイド特集「春の嵐吹きやまず」より

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