小池都知事、“豊洲を争点にしない”のトーンダウン 築地市場の汚染発覚で

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豊洲より「小池ファースト」

 策士、策に溺れる――。小池百合子都知事を見ているとそんな言葉が頭をよぎってしまうのである。豊洲市場の汚染を声高に叫んで世間を盛り上げたのは良かったが、最近になってなぜか「(豊洲を)都議選の争点にしない」とトーンダウン。それもそのはず、再整備をちらつかせていた築地市場も「汚染」というデータが飛び出してきたのだから。

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 まずは、東京都が作成した資料を紹介しよう。

〈ヒ素又はその化合物(環境基準の)2・4倍〉

〈ふっ化物(環境基準の)1・6倍〉

 平成25年に調査した築地市場の土壌データだ。築地が汚染されている可能性はすでに報道されているが、その具体的な有害物質と数値である。

 都建設局の担当者によると、

「調査した場所は、築地市場の敷地内に建設中の橋台の部分です。有害物質が検出された土は、すでに搬出されており、それもあって、あえて公表する予定はなかった。しかし、マスコミからの問い合わせがあったことから、明らかにしたというわけです」

 もっともこの調査は、あくまで橋台の部分であり、セリを行う「場内」は調査していない。かつてこの場所には進駐軍のドライクリーニング工場があり、有機溶剤タンクを含む建物があったとされている。老朽化やアスベスト汚染、さらにはネズミが5000匹いると指摘されている築地市場だが、豊洲同様に汚染が広がっている可能性があるのだ。

 さて、小池都知事はこれに何と答えたか。

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