森友理事長に雲隠れを指示…財務省キャリアの存在

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 なぜ、国有地は破格の9割引きで払い下げられたのか。“森友学園問題”の本筋はそこにある。本来、まっさきに疑惑を追及されるべきは財務省なのだ。だからこそ、「財務省キャリア」は、籠池泰典理事長(64)に雲隠れ指示を出さなければならなかったのか。

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佐川理財局長は完全否定

 最初の爆弾発言は、著述家の菅野氏から発せられた。

 3月15日、自宅マンション前に詰めかけた報道陣に、

「理事長及び理事長夫人は、顧問弁護士の方に佐川理財局長から電話があって、“10日間でいいから身を隠してくれ”と言われた」

 と明かした。

 当然のことながら、財務省は共に不正を承知している籠池理事長の口封じを図ったのではないかと疑われることになった。しかし、当の佐川宣寿理財局長は国会答弁で、“顧問弁護士とは面識もないし、話したこともない”と完全否定したのである。

 あらためて、菅野氏に聞くと、

「あれは、僕もウラを取らずに言ってしまった。囲み取材から部屋に戻ると、籠池理事長のケータイに顧問弁護士から連絡があった。“佐川さんというのは間違っている”“佐川さんの部下です”などという声が、漏れ聞こえてきました。さらに、籠池理事長はケータイを耳に当て、“補佐のシマダやな”と口にしながらメモも取っていました。だから、僕の発言は間違いで、本当はシマダという財務省キャリアだったみたいです」

 確かに、財務省の理財局にはシマダなる課長補佐が在籍している。

 しかし、長男の佳茂氏にも聞くと、

「安倍総理が、2月24日の国会で父のことを“しつこい”などと手のひら返しの発言をしました。その2日前、顧問弁護士が父に電話をかけてきて、雲隠れ指示を伝えている。そのときは、確かに“佐川理財局長から”と言っています。森友学園の了解も取らずに代理人を辞めた顧問弁護士でしたけど、2人の財務省キャリアの名前を出し、本当はどちらだったのか誤魔化そうとしているのです」

 籠池理事長だけでなく、昭恵夫人や財務省キャリアも証人喚問しなければ、“森友学園問題”の全容が解明されることはあるまい。

特集「炸裂!『死なばモリトモ』爆弾」より

週刊新潮 2017年3月30日号掲載

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