生活保護でメシを食うNPOの実態 「弱者救済」「自立支援」のウラで

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“囲い込んでいた方が利益になる”

 実際にその“NPO経験”のある40代労働者に聞くと、

「2年前、糖尿病が悪化して一時的に生活保護を受けることになり、役所でこの団体を紹介されました。私の場合、月12万円の支給額から管理人に9万円を納め、残り3万円でしたが、あっという間に消えました。食事は簡素で1日2食だけ。ご飯のおかわりもできないから腹が減る。残り1食は自分で弁当を買うなどしなければならず、ギリギリの暮らしでした」

 同宿者は軒並みやせ細り、生気を失ったかのように映ったといい、

「することがないので毎日散歩し、交通費節約のため病院まで1時間以上かけて歩いていきました。NPOは“社会復帰させるより囲い込んでいた方が利益になる”と考えていたのでしょう。管理人からは就労支援のサポートもなかった。3カ月後、体調が良くなったので現場仕事に復帰しましたが、あのまま過ごしていたら、きっと廃人になっていた気がします」(同)

 このNPOは十数年前に設立され、ホームページには、「自立支援」「社会貢献」といった文言が並ぶ。が、その実態がなく看板倒れなのは前述の通り。あまつさえ経済活動の停滞を招いてしまっては、元も子もなかろう。

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