ダイアナ妃“没後20年” 王子2人の献身

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ダイアナ妃(Nick Parfjonov/Wikimedia Commons)

 英国の美しい女性を形容する言葉に“イングリッシュ・ローズ”という語がある。肌が白く、頬はバラ色、気品のある女性を指すそうだが、王室に詳しい英国在住のジャーナリストは言う。

「その言葉から真っ先に思い出すのは故ダイアナ妃です。彼女は1997年にパリで非業の死を遂げましたが、その直後、ロンドン市内のハイドパークやケンジントンガーデンは追悼のため花の海になりました。英国で他に誰が亡くなってもああはならないでしょう。あの光景は忘れられません」

 当時15歳と12歳だったウィリアムとヘンリーの2人の王子にとっても母の死は忘れがたかろう。今年は没後20年。記念行事は2月末からの衣裳展で始まったが、会場は王子たちの住まい、ケンジントン宮殿の一角だ。85年のホワイトハウスでの夕食会で、ダイアナ妃がジョン・トラボルタとダンスした際に着ていたベルベットのイブニング・ドレスなど思い出の品25点が並ぶ。

「どんなつらいことがあっても黙って耐えるのが英王室の伝統でした。が、20年が経ち、ようやくウィリアムもヘンリーも母の死について語り始めました。ウィリアムは親を亡くした施設の子供に、自身が母を亡くした時の経験を語り、ヘンリーはドキュメンタリー番組で母を語りました」(同)

 ダイアナ妃同様、慈善活動に熱心に取り組む両王子は、個人的に基金を集め、ケンジントンガーデンに母の像を建立することも決めた。

 美しきプリンセスは時を経て、王子たちの手で“英国の母”へと変わろうとしているのかもしれない。

週刊新潮 2017年3月16日号掲載

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