「児童ポルノ」地下ネットワークの実態 小遣い欲しさで自ら裸をアップする子供も

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 2月9日、神奈川県警など7県警の合同捜査本部は、男児のわいせつ画像を撮影したなどの容疑で開発(かいほつ)哲也容疑者(35)ら6人を逮捕・送検したと発表した。押収された画像は10万点以上、被害を受けた児童は少なくとも168人にのぼる。

 子供たちが参加する自然体験ツアーに参加し、撮影に及んでいた開発。その人脈は、さらに「教師グループ」にまで広がっていた。小児性愛者の地下ネットワークとは、どのようなものなのだろう。

 2014年に改正された「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(児ポ法)によって、児童ポルノは所持しているだけで処罰される。

 そのため、現在、児童ポルノを販売している業者は淘汰され、国内のネットに載ることもまずない。警察が常に監視しているからだ。だが、言うまでもないが、小児性愛者は減ったわけではない。

小遣い欲しさに自分の裸をアップロードする男児も(写真はイメージ)

■人気のあるジャンル

 風俗ライターの比嘉健二氏が言う。

「私自身、アダルト雑誌の編集をやっていた経験から言うと、1990年代まで“ロリータ”という言葉に代表されるように、小児性愛は普通に人気のあるジャンルでした。いわゆるワレメが露出した写真集も売られていた。男児に性欲を覚える読者もその頃からいました。中にはわが子を編集部に連れてきて脱がせたりする親もいたほどです」

 小学校の運動会シーズンになると、一見してそれと分かる男性が、食い入るように子供たちを眺めている様子も、昔は珍しくなかったという。

 また、秋葉原などでは、「ジュニア・アイドル」という名称でイメージビデオのDVDなどを置く店もあった。

「こうした店にはときどき、本物のジュニア・アイドルがやって来てDVDなどの購入と引き換えに撮影会が行われたものです。もちろん、売っていたのは法的に問題の無いもので、小学生の女の子が水着で泳いでいたり日光浴をしていたりといった映像です。最初は女の子のグッズばかりでしたが、いつの間にか男の子のコーナーが作られるようになったのです」(元児童ポルノの愛好者)

 店を訪れるのは20~50代の男性客で、職場から直行して来たようなスーツ姿のサラリーマンもいた。

■小遣い欲しさに…

 だが、法規制が厳しくなるとこの手の店も消え、愛好者は地下に潜るようになる。ネットの掲示板でも「炉利」とか「炉」という合言葉を使って、ロリコン愛好者同士が情報交換するようになった。また、男児が好きな者という意味で「ショタコン」という言葉があるが、ラインなどの「ショタコン掲示板」に潜り込む者も。

 一方、子供にもインターネットが身近になってきたこともあって、小遣い欲しさに自分の裸をアップロードする男児もいる。最初は少しだけ画像を公開して、そこから先はネットで流通する商品券をくれた人だけに見せるというものだ。ネットを介していれば危険ではないという安心感から、簡単に手を出す子も少なくない。

「最近ではツイッターなどで、自分の性癖をほのめかしている相手に、直接メールを送ることも出来ます。小児性愛者たちは、そうやって連絡を取っているケースもあるのです」(同)

 開発らも、掲示板で知り合い、ラインのやり取りを繰り返しながらネットワークを築いていったと見られている。

特集「『児童ポルノ』地下ネットワークの『3つの掟』」より

週刊新潮 2017年2月23日号掲載

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