詐欺師集団に騙されている「竹内力」 マカオのカジノ買収のウラ

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〈楽な銭儲けほど、裏があるいうことですわ〉。Vシネマ「ミナミの帝王」の主人公・萬田銀次郎は、高利でカネを貸し、取り立てる時は地獄の底まで追い詰める。その銀次郎を演じて当たり役となった俳優の竹内力(53)が、マカオでカジノ付ホテルを買収する話が持ち上がっている。その額、最大1000億円というから驚きだが、この「銭儲け」には、やっぱり裏があった。

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マカオのカジノ買収?

 ニュースを最初に報じたのは、現地の邦字メディア「マカオ新聞」である。それによると、竹内が代表を務める「リキプロジェクト」と米ネバダ州の「ZANNグループ」、そして地元の飲食業大手が提携して進めている買収話は、金額にして数百億円から1000億円にものぼるという。

 記事では竹内自身もインタビューに応じている。

〈最終的な買収候補先を絞り込んだ後、春節(旧正月)明けにあたる今年(2017年)2月末にも契約を予定しており、その際にはマカオでプレス発表会を開催する〉

〈すでに、日本を含む海外各国の企業から提携などのオファーも多数届いている〉

 同紙の記者が言う。

「マカオではカジノホテルの所有権を売買するのは珍しくないのです。でも、話が大きすぎるので、提携した地元の飲食業大手に確かめてみたら、実際に計画はあるという。買収先として絞り込んでいるホテルも、所有者が手放してもおかしくないところでした」

 事実なら千昌夫もビックリの芸能人兼実業家の誕生である。だが、念のためマカオのカジノ事情に詳しい関係者に聞いてみると、様子がおかしい。

■マグロの養殖話

「竹内はカジノの買収プロジェクトについてほとんど知識がありません。彼は言われるままに取材に応じているだけで、実際に動いているのは、ZANNグループです。ネバダ州の会社ということになっていますが、代表者は日本人。香港のクルーズ船のワンフロアでカジノを運営していますが、こちらでは殆ど知られていません」(関係者)

 同社には、役員として民進党の元国会議員が2人名前を連ねていたが実際には名前を貸しただけ。やっていることが怪しくて慌てて辞めたのだという。さらに調べてみるとキナ臭い話がどんどん出てくる。

「ZANNの日本法人の取締役と相談役(両方とも日本人)は、昨年起きた出資詐欺の騒動で長崎県警がマークしている人物です。それは、沈没船を引き揚げて、中の財宝を山分けするというもの。引き揚げを行う会社の株を1株25万円で売り歩き、10億円を集めたと見られている。すでに被害届が出されており、詐欺と出資法違反容疑で捜査が進んでいます」(事件を取材したジャーナリスト)

 また、同グループの日本人オーナーは、かつてクロマグロの養殖話で出資金を集めてドロンした経歴の持ち主。いうなれば“詐欺師”の集まりである。こんな人たちと一緒にカジノ付ホテルを買収するなんて、現実離れしているだけではなく、一緒にビジネスをやっているというだけで、名前に傷がついてしまうのではないだろうか。

 そこで竹内本人に聞くと、

「俺はさ、あんまり深く考えないところがあるの。でも(ZANNのメンバーが詐欺をやったのか)どこまで本当か分からないでしょう? それに彼らの作るカジノって楽しそうだなと思ってね。でも、そんなに甘くはないと思う。日本側からの出資が集まっていないし。(竹内が広告塔にされることは)あると思う。だけど、出資は一切していない。俺だって過去に大金を騙し取られた経験があるから、慎重にやっているんですよ」

 萬田銀次郎だって、こんな怪しい話には乗らないだろう。

ワイド特集「近ごろバブルの人々」より

週刊新潮 2017年2月9日号掲載

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