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安倍総理は何年までやるのが良いのか? 青山繁晴・百田尚樹の「大直言」対談(2)

 各社の世論調査で、安倍内閣の支持率は依然高い数字を維持している。

「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対に腐敗する」――19世紀英国の歴史家・アクトン卿の残したこの格言は、ジャーナリズムと政府との関係を論じる場合によく引用される。最近では、長期政権となってきた安倍政権に対して批判的な論者が用いることもあるようだ。

 一理あるようにも見えるが、一方で、「日本の総理はコロコロ代わり過ぎ」といった嘆きもつい最近までよく耳にしていたのもまた事実。

 実際のところ、長期政権をどう考えれば良いのか。参議院議員で作家の青山繁晴氏と作家の百田尚樹氏が、新著『大直言』で、この点を議論しているのでご紹介しよう(以下、『大直言』第2章「外交を議論する」より抜粋)。

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百田尚樹氏と青山繁晴氏

青山 ぼく個人の意見を言えば、(安倍総理は)任期を一年残して八年で辞める。余力を残して辞めるのがいいと思います。どうしてかというと、政治は繰り返す。ぼくたちは同じ敗戦国ドイツの歩みをもう一度見たほうがよい。

 かつてドイツには、ヘルムート・コールという十六年もやった首相がいました。コール首相がいなかったら、一九九〇年のドイツの再統一はできていないでしょう。その意味で強い力が必要だし、長期政権は必要だということを証明する存在でもあります。

 しかし、コールさんはドイツの再統一で浮かれてしまって、十六年もやってしまった。再統一が政権発足後八年の時ですから、その倍やって、結局選挙で大負けして無念の勇退をし、その後に疑惑も追及されるようになった。名声は地に墜ちたんです。

 短くても駄目ですが、長くやり過ぎても駄目。今のメルケル首相も、九年間は順風満帆でドイツ経済の勢いもすごかったでしょう。ところが、就任十年でフォルクスワーゲンの問題が起きた。いいカッコをして「難民を受け入れる」と言ったから、そのあと受け入れられなくなってしまいました。

 これもヨーロッパと世界全体の運命を変えてしまうようなミスです。実は、メルケルさんもちょっとだけ長くやり過ぎるからこうなったという面がある。

 だから、安倍総理も、二〇二一年までの任期を一年残して、ご自分で招致なさった東京オリンピックを成功させ、福島の汚染水の問題も全部解決してから八年くらいで辞められるのがいいと思う。そして任期を延ばしたからこの話はお終い、というのではなく、安倍総理もぼくら国民も、次を誰にするのかを真面目に考える必要があります。(註:この対談のあと実際に自民党総裁任期は九年に延長された)

■短期政権ではなめられる

百田 日本の、いわゆる国際的な弱さというのは、政権が短期でコロコロ代わる点にあったと思うんです。下手したら、半年で変わっていた。せいぜいもって一年でした。

 半年とか一年で代わる政権というのは、他国はまともに相手にしないんです。「どうせ、こんなことを言うても、半年後に、こいつ首相降りるやん」とか、「一年後には、こいつの政権なくなってるやん」と思われる。ちゃんと約束もしません。

 これは国内でも一緒。官僚も、「首相が何か言うてるけど、どうせ、しばらく放っといたら、こいつ代わるんやから」と思ったら言うこときかないです。ところが、確固とした政権が生まれて、「これはかなり長期政権やなあ」と思えば官僚も、「これ、下手したら、俺のクビ飛ぶな。しっかりしないとあかん」となる。

 中国や韓国も、「この政権は長い」となってくると、「こちらも、あまりなめたことを言われへんな」となってくる。

 長いというのは大事なことなんです。

 ところが、さっきおっしゃったコール首相に限らず、特に共産圏は長期政権が多くて、しかも長くなれば長いほど、駄目になるんです。これは、人間も組織もそうなります。

 十年を超えると、いかに本人がよくやったとしても、周りで腐敗が起きる。どうしても既得権とか、そういうもんでややこしくなります。ですから、それは何年がええかというのは難しいですけど、安倍さんはもう少し続けてもらいたいと思いますね。

青山 対外的なことを考えれば、二〇一八年の安倍総裁の任期切れの前に党規を変えて、中国、韓国への発言権を強めることは大事です。「この政権はもっと続くのかも」と思わせる。

 ただし、独裁者にならないために、次の総裁選は二期目とは異なり、きちんと投票をしたほうがいい。その対抗馬が誰なのかは、今はまだわかりませんが。

(後略)

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 もちろん、一寸先は闇だから、本当に現政権がこの後も高い支持率を維持できるかどうかはわからない。しかし、無理難題を言ってくる大統領に対抗するには、国内基盤がしっかりしたリーダーのほうが良いのは確かだろう。

デイリー新潮編集部

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