安倍官邸が嫌う「共謀罪」の呼称…略して“テロジュン”?

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安倍晋三総理

 名は体を表す。

 20日からの通常国会で提出される、いわゆる“共謀罪”法案。2020年の東京五輪のテロ対策として、犯罪を計画した段階で処罰できるようにするためのものだが、官邸が神経をとがらせているのは、その“名”についてである。

「11日の朝、ホテルオークラで、自民公明の幹事長、国対委員長の会談がありました。そこで法案について話し合ったのですが……」

 と、政治部デスク。

「会談後、竹下亘自民党国対委員長への囲み取材で、ある記者が“共謀罪の法案について”と質問すると、竹下さんは“共謀罪というものはありません”と制したのです」

 すると記者は、

「あ、テロ等準備罪でした」

 と言い直した。

「官邸は共謀罪と言われることを極端に嫌がっていて、記者との間でこんなやり取りがそこかしこで起きています。共謀罪は過去3度、野党の反発で廃案になっており、あまりにイメージが悪いからです」(先のデスク)

 そこで、テロ対策を強調するため、共謀罪からテロ等準備罪と名称を変更して法案を提出することにした。官邸関係者が言う。

「総理は“テロジュンと略せばいいね”と周囲に話していました。嵐のマツジュンじゃないけどね」

 自民党関係者によれば、

「共謀罪は、居酒屋で上司の悪口を言っただけで、処罰されるイメージがある。それを払拭しようということです。総理は“あくまでテロ対策。仮に茂木政調会長の陰口を言っても、逮捕されませんから、安心してください”と冗談を言っていますよ。茂木さんは党の中でも嫌われ者ですからね」

 無論、成立までにはハードルがある。

「公明党の山口代表と漆原中央幹事会会長は法律家だけに必要性を認めている一方、井上幹事長が猛烈に反対しています」(先のデスク)

 カジノ法案でも公明党の不興を買った安倍官邸。“テロジュン”と可愛く言ったところで、新たな火種になりかねないのだ。

週刊新潮 2017年1月26日号掲載

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