鳩山由紀夫、「重慶爆撃」にも謝罪 南京大虐殺の二の舞になる恐れ

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 有史以来、これほど売国発言を繰り返した政治家がいただろうか。尖閣諸島の魚釣島を中国領土と言い放ち、南京大虐殺を日本兵の犯罪行為だったと謝罪した鳩山由紀夫元総理(69)。懲りもせず、中国へ“土下座”を繰り返している。

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 鳩山元総理は2016年11月10日、中国重慶市で開かれた「中国国際友好都市大会」の開幕式に出席してこう挨拶した。

売国奴と呼ばれてもしかたない

「日本が中国を侵略した際に行った“重慶爆撃”で、重慶市の繁華街の大部分が破壊され、多くの罪のない一般人の命を奪った。ここに深くお詫び申し上げる」

 重慶爆撃とは、旧日本軍が1938年2月から44年12月までの6年10カ月で200回以上行ったといわれる空爆を指す。“鳩山発言”を聞いた外務省関係者が説明する。

「実は、爆撃で亡くなった中国人の遺族ら188人が06年3月、日本政府に対し、謝罪と総額18億8000万円の賠償を求めて東京地裁で訴訟を起こしたのです。鳩山さんは元総理としての発言が、いかに国益を損なうかを理解していないのでしょう」

 東京地裁は15年2月25日、空爆による被害を認めたものの、“当時も、個人の国家への賠償請求権を認めていない”として、原告の主張を退けた。敗訴した中国人訴訟団は、判決を不服として控訴している。全国紙の中国特派員によれば、

「“南京大虐殺の記録”がユネスコの世界記憶遺産に登録されましたが、習近平政権は“重慶爆撃”の登録も目論んでいます。15年に開かれた抗日・反ファシズム勝利70周年記念式典では、重慶爆撃を取り上げた公開前の“反日映画”へ特別賞を授与したほどの力の入れようです」

■不完全な統計

 で、重慶爆撃では何人が死亡したというのか。中国人訴訟団は、裁判で“全期間を通じた中国側の死者は1万1000人”と主張。一方、中国の公的機関が85年に編纂した「重慶抗戦紀事」では1万1889人と数に開きがある。

「中国人訴訟団は日本政府を訴える一方、“空爆加担企業”として三菱重工に謝罪と賠償を求める『要請書』を突き付けました。そこでは不完全な統計としつつも、“10万人以上”と記している。実に、裁判で主張した数の約10倍に膨れ上がっているのです」(先の外務省関係者)

 南京大虐殺の死傷者は、東京裁判の判決文でも10万、20万以上と分かれて客観性を欠いていた。日本政府は一貫して、“人数の特定は困難”としているが、中国は『南京大虐殺記念館』に“犠牲者30万人”の看板を堂々と掲げ続けているのはご存じの通りだ。中国事情に詳しい、ルポライターの麻生晴一郎氏は、

「中国人訴訟団が要請書に記した“10万人以上”は根拠もなく、信憑性に欠ける。当時の重慶市が、空爆で亡くなった人たちの遺体を数えたわけでもないし、戸籍制度も十分とはいえなかったはず。今後、中国は南京大虐殺と同じように死者の数を増加させて発表するかもしれません」

 つまり、重慶爆撃は、“南京大虐殺”の二の舞になる恐れあり。それに手を貸した鳩山元総理に弁明を求めると、

「国益を損なうどころか、日本のためになると考えています。過ちを犯したら、事実を受け止めて謝るのが人間として当然です」

 この調子では、死ぬまで中国への“土下座”を止めそうにもない。

ワイド特集「夜明けの鶏(チキン)レース」より

週刊新潮 2016年12月29日・2017年1月5日新年特大号掲載

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