金本阪神のドラフトに“アホやな” 佐々木の単独指名ならず

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なぜ1巡目で指名されなかったのか(イメージ)

「その瞬間、300人集まったチャペルが水を打ったように静まり返った」

 と語るのは、ドラフト会議当日の10月20日、桜美林大学に駆けつけたスポーツ紙記者。お目当ては、首都大学リーグ初Vの立役者、佐々木千隼(ちはや)投手(22)だった。

「ドラフトの“待ち”は通常、会議室などで報道陣だけかせいぜい野球部員がいる程度。でも、桜美林大の“待ち会”は、テレビ局アナウンサーが司会を務め、日米野球での彼の雄姿が上映されるなど、さながらワンマンショーでした」(同)

 ところが、佐々木は1巡目で指名されず。冒頭の“その瞬間”とは1巡目の最後の選手名が読み上げられた直後だ。

 結局、彼は外れ指名に回り、5球団が競合。抽選でロッテが交渉権を獲得した。

 それにしても、外れに5球団──前代未聞の珍事はなぜ起きたのか。

 原因は、阪神である。

「阪神は当初、佐々木を1巡目で指名するつもりだった」

 とは在阪大手紙デスク。エース・能見篤史(37)は衰えを隠せず、次代を担うべき藤浪晋太郎(22)も今季7勝止まり。一方、野手は高山俊(23)や北條史也(22)ら若手が台頭。即戦力投手が喫緊の課題なのは誰が見ても明らかだった。

「しかし、ヤクルトも指名するという情報が入り、クジ引きを恐れた阪神は佐々木を回避したのです。去年のドラ1・高山はヤクルトと競合の末、クジで引き当てたというのにね。しかも、そのヤクルトの情報は、結局ブラフだった」(同)

 代わって指名した白鴎大の大山悠輔内野手(21)は、競合せず無事ゲット。ただ、

「野手としての評価は3番手。2番手の日大・京田陽太が中日2位指名ですから、大山も2位か3位が妥当です」(同)

 佐々木を1巡目で指名していれば、クジを引かずに獲得できていた。

「競合してクジで外れても、それから大山を指名すればいい。何なら1位佐々木、2位大山で両獲りもできた。金本監督は“野手が欲しかった”と言い訳してたけど、他球団は“アホやな”と後ろ指を差してますよ」(同)

 虎穴に入らずんば!

週刊新潮 2016年11月3日号掲載

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