勢いづく「小池劇場」、どう問題を収めるのか

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小池百合子東京都知事

「今の小池さんの勢いは物凄いものがあります。彼女のパフォーマンスが多くの人の心をとらえていることは、もはや誰にも否定することができない」

 日々、小池知事の間近で取材している都政担当記者が感嘆の声を漏らす。

「築地から豊洲への移転延期を決断したところへ盛り土の問題が出てきて、一気に世論がヒートアップした。盛り土の上に豊洲新市場の施設が建っていると皆が思っていたのに、地下空間になっていました、と。その犯人捜しを今進めているわけですが、小池さんは問題を暴いた英雄のような存在として拍手喝采を受けている状態です」

 来年夏に予定されている都議選までこの勢いは持続するのではないか。この記者はそう見立てるが、問題はその時にこの話題がどうなっているか、である。

「今は議論が活発に行われ、問題がどんどん広がっていくのはやむを得ないことだとは思います。小池さんも、振り上げた拳を簡単に下ろすわけにはいかないので、問題を徹底的に追及して膿を出す姿勢を示し続けなければなりません」

 と、さる都議は語る。

「ただ、このまま、いたずらに心配を煽るような報道ばかりが先走って、小池さんもそれに乗っかって“これもダメ、あれもダメ”などと言っていると最終的には豊洲への移転自体を中止する、ということになりかねない。そうではなく、都知事としてはあるところで収束に向かって舵を切り、この問題をしっかり収めなければならないのです」

 しかし、彼女が開けてしまったのは、もう20年以上も揉め続けてきた「豊洲」というパンドラの箱。得体の知れない過去の利権や害悪がドロドロと流れ出る中、一方的に「劇場」の幕を下ろすのは簡単なことではない――。

「特集 地下に溜まった怪しい強アルカリ水! ピラミッドより謎多き豊洲の巨大建造物! 意味不明が多すぎる『豊洲のパンドラ』20の疑問」より

週刊新潮 2016年9月29日号掲載

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