高畑淳子“座長”にスタンディングオベーション 舞台「ゆきまろげ」開幕

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 その場の弾みでついた嘘をカバーしようと、また嘘を重ね、まるで転がる雪玉(雪まろげ)のように嘘が大きくなって……というのが森光子のために書かれた舞台『雪まろげ』の主題だ。

 舞台評論家はいう。

「森さんの、嘘つきの女を演じてみたい、との一言で出来た作品。『放浪記』、『おもろい女』とともに森さんの3大作品のひとつで471回上演されています。別の人が同じようにやるのは難しい。でも彼女なら……」

 と白羽の矢が立ったのが高畑淳子(61)。息子の逮捕、不起訴、釈放を経て、高畑を座長とする「雪まろげ」が9月24日、足立区北千住のシアター1010で幕を開けた。700席の客席はおばちゃんで一杯だ。

高畑淳子(61)

「高畑さん、元気になって安心したわ。やっぱり息子って甘やかしちゃうのよね。何時までだっけ? あら8時! 長いわねえ」

 芝居より彼女に同情して見に来たようだが、青森の浅虫温泉を舞台に、温泉芸者の嘘に始まるスッタモンダを3時間堪能した後は、スタンディングオベーション。

 上演後に別の客に聞くと、

「舞台女優だというからどれだけ凄いのかと思ったけど……顔のでかさが気になっちゃって。オバサンしすぎていて、的場浩司(47)と恋仲になるという設定が無理。芸者仲間の榊原郁恵チャン(57)のほうが色っぽかったし、声も聞きやすい。やっぱり『ピーターパン』で取った杵柄かしら?」

 前出の舞台評論家はいう。

「6キロ痩せたとか言われていますが、息子さんの事件で憔悴したんでしょうね。それだけ痩せれば顔も余計に大きく見えますよ。でもね、高畑さんはミュージカルから、翻訳物、歌も踊りもコメディだってこなす。男を翻弄する役どころも、本来であれば茶目っ気たっぷりに演じられる女優です。公演は12月まで全国で続きますから、立ち直ってくれるといいのですが」

 嘘でない、本物高畑淳子の演技が見られるのはいつになるだろうか。

週刊新潮 2016年10月6日号掲載

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