35歳の長谷川穂積が挑む KO率“8割”王者

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 9月16日、エディオンアリーナ大阪でWBC世界バンタム級王者・山中慎介(33)の11度目の防衛戦が催される。チケットは即日完売したという。

「この一戦も注目ですが、実は、コアなファンはもう一つ組まれている世界戦の方に注目しています」

 とボクシングライターが語るその世界戦とは、元世界2階級王者・長谷川穂積(35)が3階級制覇に挑むWBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチだ。

亀田興毅より上か下か(イメージ)

 かつて亀田興毅と同じバンタム級で10度の防衛に成功した長谷川は、興毅とは対照的な正統派ボクサーとして人気が高く、記者投票で決まる年間MVPにも4度輝いている。

「ただ、2011年に王座陥落してからの長谷川は精彩を欠いています。14年にIBF世界スーパーバンタム級王者に挑戦するもTKO負け。直近の試合、すなわち昨年12月に行われた世界5位との10回戦も、判定勝ちを収めたとはいえ、2度もダウンを奪われてヘロヘロでした。本人が“ラストチャンス”と言っている今回の一戦も到底勝ち目がないと囁かれています」

 相手はメキシコのウーゴ・ルイス(29)。39戦36勝32KOと、KO率8割超を誇る“強豪”だ。が、意外にも12年に興毅が判定ながら勝利している。つまり、もし長谷川がルイスに負ければ、三段論法で“興毅より長谷川は弱い”となってしまうが……。

「いや、興毅の判定勝ちはホームタウンディシジョンですから。そもそも、興毅と対戦した際のルイスも“32戦31勝28KOの強豪”という触れ込みでしたが、実は“メキシコの亀田”なんて揶揄されるほど、弱い相手とばかり対戦している。KO率はハリボテです。ただ、階級を上げた今のルイスは、パワーアップして、以前より確実に強くなっています。直近の試合である2月のタイトルマッチでは、世界戦最速の初回51秒TKOで王者を破りました」

 灯消えんとして光を増す――名勝負となるか。

週刊新潮 2016年9月22日菊咲月増大号掲載

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