スコットランドが女性警官の「ヒジャブ」を認めた理由

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 イスラム教徒の女性が髪を覆う布を“ヒジャブ”という。地域によっては体まで覆う“チャドル”が伝統だったり、顔まで覆う“ブルカ”が義務だったり、いずこの世界もファッションは多様。政教分離を国是とするフランスではビーチでの着用が禁止され物議を醸した例の水着“ブルキニ”はブルカとビキニの合成語だ。

ロンドンに10年以上遅れてスコットランドも(イメージ)

「フランスにあてつけたわけでもないでしょうが、英国北部の治安を守るスコットランド警察がヒジャブを制服に採用すると発表して話題になっています」(在英ジャーナリスト)

 イスラム女性の採用を増やしたいからのようだ。

「スコットランドの移民系住人は4%ほどと決して多くはないのですが、警察官となると1%程度。イスラム女性に到っては1万7000人余のうちたった6人、極端に少ないことを気にしているのです」(同)

 地域社会と密接な関係を築くには、人種や宗教の構成も近い方がよいというわけだ。それにしても、お巡りさんがヒジャブ?

「王立カナダ騎馬警察も着用可としていますし、ロンドン警察は10年以上前から採用していますよ。ロンドンの住人は約4割が国外出身者、ヒジャブの警官も珍しくありません。顔を覆うブルカこそ認められていませんが、そもそもヒジャブは“今年の秋冬もの”が発表されるようにデザイン性豊かなもの。ファッションと思えば違和感はありません」(同)

 英国では〈政教分離〉より〈ファッションの自由〉が優勢なようで。

週刊新潮 2016年9月8日号掲載

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