日活ロマンポルノ45周年に5監督が新作 「女性観客意識は必要」

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 第1作の「団地妻 昼下りの情事」(白川和子主演)公開から、今年11月20日で生誕45周年を迎える日活ロマンポルノ。これを記念して5人の監督が新作を撮った。8月24日に行われた完成報告会見の会場は、なぜか日本外国特派員協会。

新作ロマンポルノ撮影中(イメージ)

「塩田明彦監督『風に濡れた女』がロマンポルノ初のロカルノ国際映画祭のメインコンペ部門に招待され、若手審査員賞を受賞。園子温監督『アンチポルノ』はカタロニア国際映画祭に、中田秀夫監督『ホワイトリリー』、行定勲監督『ジムノペディに乱れる』は釜山国際映画祭に招待されるなど、いずれも海外での評価が高いのです」(関係者)

 これら4氏に、「凶悪」や「日本で一番悪い奴ら」の白石和彌監督が「牝猫たち」を撮り、クセのある5人が顔を揃えた。

“新作を制作するにあたり、意識した観客層は?”といった質問に、まず「どろろ」の監督が答える。

塩田「今、ロマンポルノを撮るなら女性観客への意識は必要」

白石「リバイバル上映に足を運ぶと女性の観客が増えていることを感じていた」

 と、女性を意識したという優等生的な発言が続く中、壊したのはやはりこの人。

園「怒りを込めて撮った作品なので、自分かも」

 それを修正するのが意外にも「リング」のこの方。

中田「女性がロマンポルノを観る流れがあるんだと思っていました」

 しかし、それを落とすのが「GO」、「世界の中心で、愛をさけぶ」のこの監督。

行定「実は2作品の脚本を書いた。1本目は自分が本当に観たい作品として書きました。そしたら日活からNGが出たんです。これじゃあ女性が観られないと」

 10分に1回の濡れ場、というロマンポルノの原則さえ守れば、自由に撮っていいと言われていたという。

行定「スカトロの要素が入っていて。性の目覚め、子どもの頃の事実を美しいと思っているのですが……信用がないんでしょうか」

 大喜利のようになった会場は大ウケ。特派員協会の中心で、スカトロへの愛をさけんだのである。

週刊新潮 2016年9月8日号掲載

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