自由にデザイン可能、スマホを操れる刺青 MITが開発

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 平成の仮面ライダーは時代とともに変身アイテムが変化する。カードにメダル、携帯電話に指輪、今やパーカまでが変身の必需品だが、さて、これも使えるか。

「マサチューセッツ工科大学(MIT)のメディア・ラボの学生がマイクロソフト研究所と共同で新しいウェアラブル機器を開発し話題です。金箔状のシールを肌に貼ればマウスやタッチパッドの代わりになるというのです」(科学部記者)

 DuoSkinと名付けられ、少数民族の紋様にも刺青(タトゥー)にも見えるこのデバイス。薄いシリコン層と伝導性の高い金属からなり、肌に貼って触れるとスマホやPCに指示を与えることができる。シールにLEDを組み込めばディスプレイ代わりになり、NFCという近距離無線技術でデータ通信も行なえる。情報の入力、出力、通信までできるのだ。

「機能もデザインも自由自在で、好きな時に洗い流せます。デバイスを身体に埋め込むサイバーパンク的なガジェットに抵抗がある人は多いですが、これなら気楽。タトゥー・シールのようでデザイン性が高く、低価格なのも魅力です」(同)

 シールを切り抜く電子カッターこそ230ドル(約2万3000円)するが、シールは1セット10ドル(約1000円)だ。

「見た目重視の電子タトゥー・シール屋のような商売が出るかもしれませんね」

 とは科学作家の竹内薫氏。

「メガネ型の端末と組み合わせ、朝起きてコーヒーメーカーを動かす、仕事のやりとりをする、といったことも身体に触れるだけで可能になるかもしれません。モノのインターネット化をIoTと言いますが、今後は“人のインターネット化”が進化するのでしょうね」

 変身アイテムの変化どころではない。

週刊新潮 2016年9月1日号掲載

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