新体操フェアリージャパン アイドル選抜のような“山崎基準”

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 ロンドンから1つ下げ、今回は団体8位に終わった新体操「フェアリージャパン」。手足の長い女の子たちが優雅に跳ね回る姿は、通常の体操競技と大いに趣を異にするが、山崎浩子強化本部長率いるチームには、“独自基準”があるという。

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フェアリージャパン

 新体操に詳しいスポーツライターが言う。

「2004年アテネ大会の出場を逃して危機感を募らせた体操協会は、かつて引き起こした統一教会問題が一段落した山崎さんにチーム再建を委ねたのです」

 改革はさっそく始まった。

「世界の強豪に伍していくため、05年、強化選手の選考方法にオーディション制を導入しました。従来は試合での実績を基準にしていましたが、山崎さんは芸術性を含む採点に大きく関わってくる見た目の美しさ、つまりプロポーションを徹底して重視してきました」(同)

 全国から“新基準”に見合う候補を募り、本部長自ら立ち会って審査してきたというから、さながら芸能事務所のアイドル選抜である。

「実績よりも将来性を見越してメンバーを選び、合宿生活を通じてチームワークを高めていくのです。5人で演技する団体は同調性が強く求められ、単に個人成績1位から5位までを揃えれば強くなるわけではない。実際にロンドン五輪の直前には、主力のケガで急遽、当時の全日本女王が追加招集されましたが、結局出場はしませんでした」(同)

 オーディション12期にあたるという今回のメンバー。決勝ではリボンの大技が失敗に終わり、試合後、昨年のミス日本特別賞に選ばれたチームの顔である畠山愛理選手が引退を表明した。

「前回の成績は上回れませんでしたが、他に務まる人も見当たらず、東京五輪までは山崎さんが続投する見通しです」(協会関係者)

 息つく間もなく、次の“逸材発掘”が始まるというわけだ。

「ワイド特集 『メダル』の夢の後始末」より

週刊新潮 2016年9月1日号掲載

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