ゴルフ・時松隆光、初Vの翌週に1億円勝利

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 わらしべ長者。

 むかしむかしあるところに、時松隆光(りゅうこう)というプロ5年目22歳のゴルファーがおったそうな。

 ある夏の日、時松は、チャレンジツアー、つまりシード落ちや駆け出しのプロがしのぎを削る“2軍戦”の一つ「ジャパンクリエイトチャレンジin福岡雷山」という大会に出掛けた。

一、十、百、千、万……

 シード獲得経験はなく、レギュラーツアーはもちろんチャレンジでも優勝したことがない時松だったが、この大会では三つ巴のプレーオフの末にプロ初優勝を果たした。優勝賞金は180万円。さらに、3週間後のレギュラーツアー「ダンロップ・スリクソン福島オープン」の出場資格を得た。

 さて、ここからじゃ。

 この大会でも、時松は25アンダーの記録的スコアでレギュラーツアー初優勝を飾る。下部ツアーVで出場資格を得た選手の優勝は史上初の快挙。優勝賞金はドンと1000万円に跳ね上がり、世界ランキングも前週の1232位から838人抜きの394位にランクアップした。

 そしてその5日後、時松は「ネスレ招待日本マッチプレー選手権レクサス杯」にティーアップした。プロのなかでも選ばれし32名だけがプレーを許されるこの大会。前週Vの功績を認められた彼は、最後の一枠に滑り込んでいた。

 初戦、昨年大会覇者の武藤俊憲に勝つと、2回戦からは藤田寛之、谷口徹、小田孔明と歴代賞金王を続けて撃破。決勝戦では、日本オープン優勝経験者の小田龍一を1UPの僅差で振り切った。優勝賞金は国内ゴルフ史上最高額、ドドドドーンと1億円じゃ!

 めでたし、めで――ん?

「主催者のネスレ日本・高岡浩三社長は、高額賞金の趣旨を“グローバルな活躍を目指す日本選手の海外挑戦を支援する”と説明しています。また、時松も“夢は海外メジャー挑戦”と語っています」(ゴルフ記者)

 To be continued…

週刊新潮 2016年8月11・18日夏季特大号掲載

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