イスラム国に118人の中国人が参加 ウイグル族が多数?

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 シリア内戦での劣勢が伝えられ、“年内壊滅”も囁かれていた過激派組織「イスラム国」。だが、その名を名乗るテロが止まらない。

 7月だけでも1日にはバングラデシュの首都ダッカのテロ。以後はドイツで銃乱射に列車乗客襲撃、自爆テロ。フランスではトラック暴走テロに教会襲撃と事件が続発。シリア各地で数十人の犠牲を出す自爆テロも治まる様子がない。

脅威はどこまで広がるのか(写真・ゼータイメージ)

「そんなさなか、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルがイスラム国の内部文書から118人の中国人の参加が確認されたと報じました。うち15%が自爆テロも辞さないと内部調査に回答したとしています。仏AFP通信も別の情報源から新疆ウイグル自治区出身の100人あまりが組織に加入と報じ、中国の反発を招いています」(国際部記者)

 新疆ウイグル自治区では長年、中央政府への抵抗運動が続く。西側諸国は中国のウイグル族への人権侵害の疑いを隠そうとしないが、

「中国にしてみれば、ではイスラム国に参加している米国人や英国人なども母国の迫害が原因で加わったのか、というわけです」(同)

 だが昨年1年でイスラム国に加わろうと違法にシリア入国を謀り、トルコで拘束された外国人は913人、最多は324人を占める中国人だ。ウイグル族が多く、一説にはすでに数百人が参加したとも伝わる。

 軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は言う。

「7月23日にアフガニスタンの首都カブールで死者80人を出した爆弾テロが気がかりです。アフガニスタンではイスラム国による初めての大規模テロとされますが、同国でイスラム国傘下に転じたゲリラはすでに1万人以上との情報もあります。イスラム国はテロを起こした者が申告すれば参加を認める“フランチャイズ方式”。中央アジア経由でテロが中国に到る危険は否定できない」

 現代イスラム研究センターの宮田律氏も言う。

「イスラム国の名はすでにブランドになっています」

“恐怖のブランド化”がテロの連鎖を呼んでいるのか。

週刊新潮 2016年8月11・18日夏季特大号掲載

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