ザ・ピーナッツ 妹のユミさん逝去…引退直後に〈楽譜は全部焼いた〉

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 昭和34(1959)年に「可愛い花」でデビュー。“時代の寵児”だった双子のデュオ、ザ・ピーナッツが、世を去った。

 妹の伊藤ユミさん(本名・伊藤月子)が5月18日に75歳で逝去していたことが、7月11日に伝わった。姉のエミさん(本名・澤田日出代)は4年前に他界している。

「双子デュオでは、演歌のこまどり姉妹と同時期です。ハーモニーが絶妙でリズム感もあり、聴き惚れました」(音楽評論家の反畑誠一氏)

「恋のバカンス」や「恋のフーガ」などことごとく大ヒット。紅白歌合戦にはデビューの年から16回連続出場。およそ80枚のシングルを発表し、売り上げ総計は優に1000万枚を超える。

「洋楽のカバー、和製ポップス、民謡だってできる。レパートリーが実に広く、おまけに研究熱心。妹さんの方がおとなしい印象でしたね」(同)

 16年、愛知県の常滑生まれ。双子の姉妹は名古屋のNHKで児童唱歌隊に属していた。やがて評判を聞きつけた渡辺プロダクションの渡邊晋氏に見いだされる。

 36年からは、バラエティー番組「シャボン玉ホリデー」の中心的存在としてクレージーキャッツらと共演、コントもこなして大人気に。

 50年4月、惜しまれて引退。以降、公の場にほとんど姿を見せなかったが、姉妹は12年前に、小誌(「週刊新潮」)の記事でノンフィクション作家、野地秩嘉(のじつねよし)氏の取材に応じた。妹は引退直後を振り返り、〈ステージ用のドレスは人にあげちゃったし、楽譜は全部焼いた。(中略)すぱっと切らなきゃ元に戻っちゃうもの〉などと語っている。

 姉が沢田研二との間に授かったが離婚で引き取った息子を思いやり、学校の行事に姉妹一緒に参加するほど仲はずっと睦まじかった。

 さようなら昭和――。

週刊新潮 2016年7月21日参院選増大号掲載

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