民進・岡田代表、地元に固執でブーイング 風刺漫画へ抗議も

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民進党の岡田克也代表

 進退を懸けたお膝元の三重で、辛くも勝利した民進党の岡田克也代表(62)。しかし、党のポスターに掲げた「2/3をとらせないこと」とのスローガンは果たせず仕舞い。すると、責任論を封じるかのように、珍妙な理屈を捏(こ)ね出した。

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 7月11日午前0時過ぎ。濃紺のスーツに青いネクタイ姿の岡田代表が、党本部5階の開票センターで会見に臨んでいた。自民、公明におおさか維新を合わせた改憲勢力が参院定数の3分の2を窺おうとする情勢を受け、ある全国紙の記者が執行部の責任を問うと、彼はこう宣うたのである。

「『3分の2っていうのが一体、何なのか?』と質問を受けたんですが、私答えてないんですね」

 呆気にとられる記者をよそに、続けて曰く、

「『改憲勢力の3分の2』って言った時に、どこまで改憲勢力になるのかは、色んな解釈がある」

 自分で「何なのか」も分からない数字を目標にしていたとあって、会場には失笑が漏れた。

 政治部記者が呆れる。

「我々は選挙中、何度も岡田さんに、3分の2とは与党なのか、改憲勢力なのかを確認したんです。ところが、その度に“一言ではいえない”とはぐらかしてきた。維新が、岡田さんの一番反対している9条の改正を訴えていないので、9条の改憲勢力に限れば、彼らは入らないというわけです。そんな誤魔化しをこの期に及んで続けるなんて、開いた口がふさがりません」

■漫画に抗議

 岡田代表は選挙戦中、およそ「原理主義者」らしからぬ感情的な素振りを見せることが多かったという。

 その一例が、6月26日の「三重で負けたら、代表選に出ない」発言である。

 民進党関係者によれば、

「岡田さんは、自分の支援者が本気で動いていないとの噂を聞きつけ、彼らを引き締めるためにあんな発言をしたんです。で、負けるわけにいかなくなり、最後の3日間を含めて5回も応援に入った。でも、全体の勝敗ラインも明言していないのに、三重に進退を懸けたら、自分の地元さえ勝てればそれで良いのかということになり、党内ではブーイングが起きています」

 さらに、三重を訪れた7月1日には、安倍晋三総理に対するこんな怒りをぶちまけた。

 先の政治部記者の話。

「その前日、安倍さんが民進党候補の母校を訪ね、学食で昼ご飯を食べたことなどについて、“露骨すぎる”“三重県民の意識からすると異常”“三重県民の感情を逆撫でしているだけ”と批判した。おまけに、9日の東京新聞朝刊が、余裕の安倍総理と落ち込んでいる岡田さんとを対比した風刺漫画を載せたことに対し、抗議文を送ったんですよ」

 政治評論家の浅川博忠氏が言う。

「批判政党としてばかり目立ってしまったことが、岡田さんの敗因でしょう」

 素直に「負け」を認められない岡田代表は、もはや「ご都合主義者」である。

「総力ワイド特集 景気悪化中なのに改憲勢力2/3! 国民が忘れられない『民主党政権』のトラウマ! 参院選 我ら凡俗の審判」より

週刊新潮 2016年7月21日参院選増大号掲載

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