新英国首相・メイ女史は鉄の女? 混乱続くEU離脱の疑問(4)

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テリーザ・メイ女史(59)

 英国史を紐解けば、国の危機を女性が救った例が少なくない。エリザベス1世、ビクトリア女王、近年のサッチャー首相などである。

「離脱危機」に際しても、それが繰り返される形となった。混迷の党首選を制したのは、テリーザ・メイ女史(59)だった。

「彼女はイングランド銀行の出身。政界入りしたのは、1997年で、6年前から内相を務めています」

 と言うのは、ロンドン在住ジャーナリストの鈴木雅子氏である。

「サッチャーを尊敬していて、ここぞという時にはいつもサッチャーの勝負服だった青色のスーツを着ています。慎重でマジメな性格から、質問に対して簡単なイエス・ノーで返さない。だから“テリーザ・メイビー”と呼ばれていました」

 ロンドン特派員も言う。

「プライベートなことを話しませんし、余計なことも言わない。親しみやすいキャラクターではないけれど、尊敬と信頼を集めるタイプ。“No nonsense”と言われています」

 そんな彼女を評し、イギリス紙では、就任前から「サッチャーの再来」とする声も上がっていた。

「政策面では、EUに懐疑的で移民に厳しい。“鉄の女”と呼ばれたサッチャーにその意味でも近いかもしれません。離脱については、再投票は行わず、交渉は来年初めから進めると述べています」(同)

 来年のサミットは、ドイツのメルケル、アメリカのヒラリーと女性が3人、そろい踏みする可能性が高い。他の首脳など蹴飛ばされてしまうに違いあるまい。

「特集 まだまだ大混乱! 英国『EU離脱』7つの疑問」より

週刊新潮 2016年7月14日号掲載

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