銀座にオープンした“サテライト寺”  僧侶による相談室も開催

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 シャネルにバーバリー、カルティエと、銀座二丁目界隈はマダムが行き交うブランドストリートで知られるが、そこに、意外な名所が加わった。

 文化部記者が言う。

「築地本願寺が5月、セミナーなどを開催するサテライトテンプル『GINZAサロン』を構えたのです」

セミナーは現在無料で受けられる

 築地本願寺はもともと、独自のホールを構えてコンサートを行ったり、本堂にプロジェクションマッピングを投影するなど、ユニークなイベントを開催することで有名だ。

「本山である浄土真宗本願寺の首都圏伝道の一端としてサテライトを開設しました」

 と話すのは、今回のプロジェクトを担当する築地本願寺の石川勝徳主任である。

「お寺にご縁がない方もいらっしゃる中で、お葬式やご法事だけでなく、仏さまの教えと縁を結ぶ場所になればと思っています。サテライトとはいえ、お寺ですので、会場にはご本尊である阿弥陀さまの掛け軸をお掛けしております」

 その中身はと言えば、

「全36講座、1セミナー40人超の参加者の多くはご門徒ではありません。一般の方向けに多彩な講座をご用意しています。MBAを取得した僧侶による講座、ヨガ教室や二胡を使った講演も開いています。おかげさまで、どれもほぼ満員です」(同)

 6月最後の週末、二胡奏者のセミナーを覗くと、女性が半数以上、中には30歳前後の女性も参加しているのだから、“寺”らしからぬ光景。さらには、

「僧侶による“よろず僧談”という相談室を設けています。仏事やお墓のみならず、恋愛相談までお話になる方も。例えば、上司のパワハラに悩む方には“四苦八苦”の怨憎会苦(おんぞうえく)などの話をします。苦手な人ともこの世で会わなければならない苦しみをあなただけでなく、みな抱えて生きている。解決策を導くというより、話をして、心を切り替える糸口をつかんでもらえたらと思っています」(同)

 ブランド品を抱えた女性も受け入れる“駆け込み寺”に見えなくもありません。

週刊新潮 2016年7月7日号掲載

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