麻生太郎と菅義偉にすきま風 参院選・神奈川選挙区の候補を巡って

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 自公で過半数が確実視される今夏の参院選。大勢に変化はなさそうだが、後の政局に波紋を広げそうな熱い選挙区がある。そこでは候補者応援をめぐり、大物閣僚の間に「すきま風」が吹いているという。

 政治部デスクが解説する。

「神奈川県選挙区です。3年前から1人増えて4人改選になりました。自民党は三原じゅん子を全国比例から迎え入れ、中西健治に推薦を与え、公明党は三浦信祐を公認。与党で計3人を立てました。そして、三原と三浦を、創価学会と太いパイプを持つ菅官房長官、中西を麻生財務相が応援する構図になったのです」

軋み始めた安倍政権の屋台骨

 三原氏のトップ当選が確実視される中、その他の有力候補は野党も含め5人がダンゴ状態。残る3議席をめぐる熾烈な戦いが予想されるが、

「中西は、2009年の横浜市長選に自民党の支援を受け立候補するも落選。その翌年、みんなの党から参院選に出馬し、当選しました」(同)

 自民党神奈川県連を裏切った格好だが、その時の県連トップが他ならぬ菅氏。その後、みんなの党は解党。居場所を失った中西氏は、古巣に助けを求めたわけだ。

「中西は麻生さんに相談し、二人は意気投合。昨年末、麻生さんが総理に掛け合い推薦が決まったのです」

 と、地元記者。しかし、中西氏の出馬は菅氏には面白くない。結果、両者の溝は深まるばかりで、

「麻生さんはさる神奈川県議の資金パーティーで挨拶した際、『あ、三原のこと言うの忘れとった』とオトボケを演じていました」(同)

 一方、菅氏は6月11日、横浜市内のホテルに自身の後援者数百人を呼び、三浦氏を壇上にあげて紹介するという手厚い応援を見せている。

 自民党幹部が嘆息する。

「党本部としては、中西に追加公認を与えてもよいと考えていますが、そうすると、菅さんが応援する三浦の落選リスクが高まる。菅さんに気を遣い、推薦に留めているのです」

 すきま風が、つむじ風になるか――。

週刊新潮 2016年6月23日号掲載

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