日本人が初優勝! 千葉で開催「空のF-1」の経済効果

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 日本人パイロットが優勝したことによって、初めてその存在を知った人も多いのではないだろうか。

「空のF‐1」と言われる「レッドブル・エアレース」。千葉県の幕張海浜公園で6月5日に開催された、世界選手権決勝で室屋義秀選手(43)が日本人初優勝を果たした。

 スポーツ紙記者が言う。

「エアレースは、海上にパイロンが設置されたコースを、最高時速370キロにもなる小型プロペラ機で縫うように周回し、タイムを争います。年間通じて世界7カ国で開催され、国内では昨年から幕張で行われています。室屋選手は、09年から参戦し、これまでは3位が最高でした」

 2日間で9万人動員。物珍しさが手伝ってか、昨年の方が12万人と多いが、室屋の優勝で、レースの知名度は一気に上昇した。

 会場となった幕張海浜公園のある千葉市によると、

「去年の動員数で試算したら、経済波及効果は観覧者の宿泊や食事、仮設建築に伴う人件費等で、約20億円でした。世界中のメディアへの露出度を広告費換算すると、40億円になるそうです。チバシティ、マクハリと紹介されるので、かなり海外に売り込めたと思います」(観光MICE企画課)

 そもそも、幕張が開催地に選ばれたのは、成田に近いため、海外からの観覧者にとって足の便がいいことや、直線が続く海岸がレースに最適だったからである。

 主催者であるエアレース・ジャパン実行委員会の担当者の話。

「オーストリアの本部が、こんなうってつけの場所はないと言うほどです。行政の理解があったことも開催に繋がりました。ただ、来年はどうなるか。というのも、滑走路の場所を提供いただいた浦安市では、湾岸地区に高層建築の計画があるのです。計画が動けば規制が厳しくなるでしょう」

 なんだか捨てるにはもったいない気がするが……。

週刊新潮 2016年6月16日号掲載

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