”安重根を知らない”アイドルが謝罪する韓国の集団ヒステリー “PVに日本車”批判も

国際 韓国・北朝鮮

  • ブックマーク

Advertisement

 理性より感情が幅を利かせるとなれば、およそ先進国とは言い難い。韓国で先ごろ、女性アイドルが“歴史認識不足”だとして涙の謝罪に追い込まれる騒動があった。かの国が繰り返してきた「集団ヒステリー」が、またしても――。

 ***

お披露目が一転、謝罪会見の場と化してしまった

 ことは5月3日に遡る。12年にデビューし、来日も果している韓国の7人組アイドルユニット「AOA」のメンバーが、現地のケーブルテレビ番組に出演し、

「メンバーのジミン(25)とソリョン(21)が、ブラッド・ピットやオードリー・ヘプバーン、そして韓国の有名人らの写真を見て名前をあてるクイズに挑戦しました」(芸能記者)

 そこには、初代韓国統監の伊藤博文を1909年にハルビンで暗殺し、韓国内では「義士」と称えられる安重根の顔も並んでいた。

「サッカーの元韓国代表のパク・チソンの名は答えられたものの、安重根でつまずいた。スタッフからヒントとして『伊藤博文』と助け舟を出されても、ジミンは『よく分からない』と濁しつつ、なぜかヤクザから国会議員に転じた『金斗漢』の名を挙げる始末。隣のソリョンに至っては『豊臣秀吉』と口にし、火に油を注いでしまったのです」(同)

 こうしたやり取りは編集でカットされず、そのままオンエアされたため、

「直後から、ネットを中心に批判が起こりました。もっぱら『安重根義士を知らないとは何事だ』といった論調で、2人は12日、SNSに謝罪コメントを載せる羽目になりました」(同)

■お披露目が一転

 が、これにて一件落着とはならず。

「AOAは約1年ぶりに新曲を発表し、お披露目ライブが16日にソウルのホールで催されたのですが、これが完全に謝罪会見の場と化してしまったのです」

 とは、当日取材したジャーナリストである。

「ステージを終え、報道陣との質疑応答の前、リーダーのジミンがマイクで『多くの方々を失望させてしまいました』と話し、涙を見せたのです。一緒に出演したソリョンも『今後はもっと成熟して頑張ります』と叫んでいました」

 さらには新曲のプロモーションビデオについても、

「映像の中に日本車が登場するという理由で、やはりネット上でバッシングが起こったのですが、これも他のメンバーが『不快に思った方々には申し訳ない』と、重ねて謝罪していました」(同)

 振り返れば12年には、日本で人気を博したKARAが帰国した際、

〈独島(竹島)はどこの領土か〉

 などと、踏み絵のような質問を記者から浴びせられ、沈黙するとバッシングに晒されたこともあった。

 韓国出身で拓殖大学の呉善花教授が言う。

「韓国では今年2月に慰安婦問題を扱った映画『鬼郷』が公開され、観客動員数300万人を超す大ヒットとなりました。その状況で、彼らにとって悪の象徴である伊藤博文と愛国の象徴の安重根は一対のイメージとなっている。今回は日本だったら“おバカタレント”で済みそうな話ですが、韓国では『安重根も知らないで社会生活が送れるのか』と厳しく追及されてしまいます」

 韓国人は元来、さほど歴史に関心はないというのだが、

「こと日本に関しては意識が高い。それでも本当の歴史を知ろうとはせず、ただ『日本がいかにひどいか』の一辺倒。ひいてはそれが“真実”に仕立て上げられてしまうのです」(同)

“無理が通れば道理が引っ込む”の典型なのだ。

「ワイド特集 酸っぱい経験」より

週刊新潮 2016年6月2日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。