参院選で落選確実という2人の現職大臣 沖縄、福島選挙区で

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 参院選での“天下分け目の戦い”といえば、32の1人区でどれだけ取れるかである。自民党は、このうち14の選挙区を重点区としているが、早くも現役閣僚2人が落選確実と言われているのだ。

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 もし考えうる最悪のケースが起きた場合、「自民党の1人区は18勝14敗――」。官邸や自民党からは、こんな数字が聞こえてくる。自民党は、この14の選挙区を重点区にしている。具体的には、岩手、秋田、山形、宮城、福島、長野、新潟、山梨、三重、滋賀、奈良、岡山、大分、沖縄だが、

「このうち沖縄は、落選確実と言われています」

 と、自民党関係者。

「実は、自民党が5月中旬に行った情勢調査では、沖縄は自民党の現職が、オール沖縄が擁立した新人候補に大差を付けられリードされています。その差は20ポイント以上で、今から挽回するのは至難の業でしょう」

 沖縄の現職といえば、島尻安伊子・内閣府特命担当相(51)だが、

「その上、沖縄県うるま市の女性が、元米兵に殺害される事件が起きた。地元の反基地感情に火が点いたことは言うまでもない。犯人が逮捕されたのは19日。党の情勢調査が行われた後のことで、相手候補との差は開く一方です」(同)

 安倍総理も元米兵による事件を知った後、思わず、

「これで沖縄は完敗だ」

 と漏らしたという。自民党の沖縄県連幹部は、

「彼女は昨年10月、大臣になってからも毎週、地元に戻って来ている。既に沖縄の全市町村を回りました」

 当の島尻大臣は、

「この厳しさは今に始まったことではありません」

 島尻大臣ほどではないにせよ、福島の岩城光英法務大臣(66)にも赤信号が灯っているという。

「福島選挙区は元々定数2で、2013年の選挙から1に削減されています。岩城さんは過去3回の選挙でいずれも2位当選。選挙は強くないんです。そこに、野党は民進党の現職候補を統一候補にした。民進票に共産票も上乗せされるので、厳しい戦いになっています」(先の自民党関係者)

 島尻大臣とは対照的で、

「茂木選対委員長が再三『選挙が危ない。地元に帰った方がいい』と焚き付けても、なかなか帰らないのだとか。週末は、法務大臣、副大臣、政務官で在京当番をしなければならないが、法務省は副大臣が一人しかいないので、大臣にも当番が直ぐに回ってくる。そのせいで、地元に帰れないと言い訳しているようだが、危機感があるのか、ないのか……」(政治部記者)

 安倍総理は、2人の落選確実情報を受けて、

「選挙後は、内閣改造をしないといけない」

 とボヤいているそうな。

「特集 あなたが総理なら解散に踏み切るか? 『ダブル選挙』損得の算盤」より

週刊新潮 2016年6月2日号掲載

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