ホリエモンが始めた新しい錬金術「ホリエモンカード」〈堀江貴文VS成毛眞「私のキュレーション術」(3)〉

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 成毛眞(60)の新刊『これが「買い」だ―私のキュレーション術―』出版を記念して行われた堀江貴文氏(43)との対談も、今回が最終回。これまで情報を収集して選別する力=キュレーション術をテーマに語ってきたが、話題は堀江氏の現在の関心へ。そこから見えたキュレーションの基本とは。

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【成毛眞】 最近、注目していることはありますか。

【堀江貴文】 暗号通貨ですね。ホリエモンカードというものを作って売ったんですが、これが面白い。

【成毛】 何、それ?

【堀江】 ビットコインなどで売買できる仮想通貨のことです。

【成毛】 政府や銀行に頼らない新しい通貨か。つまり、堀江商店発行の投資可能な電子商品券みたいなものね。

【堀江】 そうです。1000枚作って、200枚売り出してみたんです。

【成毛】 1枚あたりいくらで売り出したわけ?

【堀江】 6000円くらいです。そうしたら一時期、7万円くらいまで高騰しちゃったんです。

成毛眞氏

【成毛】 それ、「ホリエモンが始めた新しい錬金術」って悪意に満ちた記事を書かれるよ(笑)。

【堀江】 いやいや、そうしたら炎上してホリエモンカードの価値が上がるんで、書いてもらっていいですよ(笑)。

【成毛】 それにしても、なんでそんなに値上がりしたの?

【堀江】 それがよく分からないんですよ。ホリエモンカードが何に使えるかは一切説明せずに売り出したので、サインをした名刺を6000円で売り出すのとなんら変わらない。でも「今後、何かが起きるのではないか」と面白がる人がいるから買ってくれて、価格が上がる。

【成毛】 面白い。

【堀江】 Tカードも暗号通貨化すればいいと思います。そうすれば世界中で使われるようになります。

【成毛】 確かに、コンビニで貯めたり使ったりする以外の使い方ができるようになるからね。

堀江貴文

【堀江】 あと注目しているのはロボレース。日本チームを作って参加したいなと思っているんですよ。

【成毛】 人工知能を使った自動運転カーレースね。今のところ、同じ車体を使ってスピードを競うことになっているから、人工知能の差がはっきり出るのが実に面白い。

【堀江】 プログラミング能力の差が出るってことですね。

【成毛】 色々と話を聞いてきたけど、堀江君はこれから何をしようとしているか、一切、隠さないね。

【堀江】 隠さないです。よく「真似されるのでは」と言われることもあります。でも、話すからには、生半可な知識で偉そうなことは言えないから、きちんと勉強している。それに、こうやって人に話すと頭が整理されていいんですよ。アウトプットが大事ってことですね。

【成毛】 うん、まさにその通り。だから、いいもの、好きなものはどんどん友達に教えればいいし、逆に不得意な分野のことは、それを得意とする人に尋ねること。基本的なことだけど忘れがち。これこそがキュレーションということなのだろうね。

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(1)はこちら
(2)はこちら

「特別読物 『逆張りの思考』【拡大版】『これが「買い」だ―私のキュレーション術―』出版記念対談――堀江貴文VS.成毛眞」より

成毛眞(なるけ・まこと)
1955年北海道生まれ。中央大学を卒業後、マイクロソフト株式会社に入社。同社代表取締役社長を経て、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立する。書評サイト「HONZ」代表も務める。著作に『面白い本』など。最新刊は『これが「買い」だ』。

1972年福岡県生まれ。SNS media&consulting 株式会社ファウンダー。現在は自身が手がけるロケットエンジン開発を中心にスマホアプリのプロデュースも行うなど、幅広く活動している。近著に『君はどこにでも行ける』『ゼロ』など。

週刊新潮 2016年5月5・12日ゴールデンウイーク特大号掲載

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