バドミントン桃田 東日本大震災がきっかけで田児の家に数カ月居候

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 闇カジノ騒動によって、バドミントン男子・桃田賢斗(21)の五輪出場は白紙となった。所属のNTT東日本からは出勤停止30日の処分が下されたほか、今回の不祥事を主導した田児賢一(26)は解雇処分を受けることとなった。

田児賢一と桃田賢斗

 JR錦糸町駅にほど近い雑居ビルにあった闇カジノに、桃田を連れて行ったのも田児である。しかも、一昨年10月から1年余りの間に、桃田がこのカジノを6回訪れて50万円負けたのに対し、田児は60回で1000万円のマイナス。桃田とは比べ物にならないほどギャンブルに狂っていた。田児は今月8日の会見で、

〈飲んだ帰りにキャッチセールスのような人に声を掛けられてついていった〉

 と明かしたが、

「キャバクラの客引きじゃあるまいし、バカバカしくて話になりませんよ。繁華街で一見の客に声を掛けて、それが私服警官だったり、通報されたりすれば店は一発でアウトです」

 と、闇カジノに詳しい事情通は一笑に付す。

「非合法で経営しているカジノが最も恐れているのは摘発です。それだけに、何よりも客の選別には神経を使う。基本的に客やディーラーの紹介がなければカジノには入れません。田児選手が路上で誘われたとすれば、他のカジノに出入りしていた過去を知られていたからだとしか思えない」

 昨年3月に摘発され、閉店に追い込まれた問題の闇カジノもご多分に漏れず、セキュリティは厳重。会員の身分証を確認して顧客名簿を作るだけでなく、防犯カメラに映った客の画像を保存し、入店前に顔を確認する念の入れようだった。

 田児は会見で涙を流しながら、こうも訴えている。

〈桃田のような日本のバドミントンにとって宝のような選手を、自分の軽率な行動でこのような事態に巻き込んだことを深く申し訳なく思っております〉

 現在、世界ランク2位で、リオ五輪でも金メダル候補の筆頭に挙げられた桃田は、日本バドミントン界が待望した“宝”に違いない。

■田児の家に居候

 香川県出身の彼は、小学6年生の時に全国大会で優勝を果たし、福島県にある強豪校に越境入学。高校卒業後は、田児と同じくNTT東日本入りし、14年5月にはバドミントンのW杯と呼ばれるトマス杯に日本チームの一員として出場して初優勝に大きく貢献した。

 小学校時代の恩師である、香川バドミントンスクールの吉川和孝代表は、

「賢斗は小さな頃から一を聞いて十を知る子で、とにかく吸収力が抜群でした。強豪選手を真似て、その技術をすぐに体得してしまうんです。ただ、今回は、その吸収力の悪い面が出てしまったのだと思います」

 同じバドミントンのトップ選手とはいえ、5歳差の2人がプライベートでも行動を共にするようになったのにはワケがある。

 高校生だった桃田がインドネシアに遠征中、東日本大震災が起きる。原発事故の影響で学校のある福島に戻れず、その時に数カ月間、居候したのが他ならぬ田児の自宅だったという。

「当時の田児君は日本ランキング1位で、賢斗にとっては憧れの人。居候したこともあって、社会人になってからも慕い続けていた。そんな先輩に誘われたら断れない部分もあったと思う。ただ、そのせいで技術だけでなく夜遊びや違法賭博まで真似てしまったのです」

「特集 バドミントン『エース』が『闇カジノ』謝罪の裏の脅迫!?『桃田選手』が撮られた『美人ママ』とキス以上の現場写真」より

週刊新潮 2016年4月21日号掲載

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