GPIF新理事長「高橋則広」はホントに凄腕か?

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 春の訪れは嬉しいものだが、季節の変わり目には体調を崩す人も少なくない。日本郵政の西室泰三社長(80)に次いで、今度は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の三谷隆博理事長(67)が3月22日、“体調不良”を理由に退任した。後任にはJA三井リースの高橋則広社長(58)が就任するが、その手腕やいかに。

GPIFは世界最大級の機関投資家

 東大法学部卒の高橋氏は農林中央金庫(農中)出身。農中では債権投資部長や開発投資部長を歴任し、主に“運用畑”を歩んできた。全国紙の経済部記者は高橋氏を“凄腕”と評して、

「サブプライムローン関連商品を大量に購入していた農中は、08年のリーマンショックで大損失を出して6200億円の赤字に転落しました。1兆円規模の増資をしたことなどで危機を回避しましたが、その“立役者”が高橋さんだったのです」

 だが、一方ではこんな声も聞こえてくる。

「高橋さんの運用手法は、リーマンショック以前とさほど変わりません」

 こう批判するのは、経済ジャーナリストの福山清人氏だ。

「農中の運用総資産は約64兆円で、世界有数の機関投資家として知られています。ですが、その運用は海外のファンドや、欧米投資銀行へ“丸投げ”しているだけ。農中は上客として扱われていますが、リーマンショックでもわかるように、風向きが変われば単なるカモでしかありません。GPIFの運用総資産は139兆8249億円。こんな危うい運用手法を繰り返してきた高橋さんに、我々の“虎の子”を委ねてよいものでしょうか」

 GPIFの理事長任期は5年。三谷理事長は、昨年3月末の任期満了で退任の意思を固めていたという。

「三谷さんの“続投”は、後任が決まらず1年間延長していただけ。GPIFは株式投資で“高値掴み”していて、いつ莫大な損失が出てもおかしくない。それを知る財界人から就任を悉く固辞され、後任理事長のなり手が見つからなかったわけです」(同)

 GPIF理事長の年収は2148万円。高給に釣られて貧乏くじを引く?

週刊新潮 2016年4月7日号掲載

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