逸材か“胃痛材”か? プロ野球「新外国人」変わり種リスト

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 球春到来! ということで、今季新加入した外国人選手をチェックしてみると、ユニークな経歴の選手が少なくない。

 まず、ソフトバンクが年俸5000万円で獲得したロベルト・スアレス投手(25)。メジャーリーグ研究家の友成那智氏が解説する。

「工事現場での肉体労働や運転手をして食いつなぎながら、ベネズエラのセミプロリーグやアマチュアリーグで投げていた苦労人。その後メキシコに渡り、24歳で初めてプロのチームと契約し、クローザーとして活躍しました」

 2年連続日本一で、あり余る戦力を誇るソフトバンクにとっては、即戦力ではなく育成扱いだそうだが、応援したくなる選手である。

 日本ハムにもハングリー精神むき出しの選手がいる。年俸8000万円のクリス・マーティン投手(29)だ。

「2度ドラフトにかけられましたが、ケガでプロ入りできず、ブルーワーカーに。朝6時から午後2時までガーデン用品を扱う倉庫会社の運搬係として重機を操り、夕方5時半から11時までダラス・フォートワース国際空港で16メートルもあるトレーラーの運転手をしていた。3年間このダブルヘッダーの重労働を続け、2010年、年収6000~7000ドル程度の独立リーグへ。そこでレッドソックスのスカウトに認められた。27歳でロッキーズに移籍し、メジャーデビュー。昨季はヤンキースで活躍しました」

 二人の履歴はこれはこれで立派なもの。しかし一方で、できることなら消し去りたい“黒歴史”を抱える選手もいる。

 中日のジョーダン・ノルベルト投手(29)は、2013年に大騒動となった禁止薬物購入事件、いわゆる「バイオジェネシス・スキャンダル」でA・ロッドらとともに出場停止処分を受けた14選手の一人。さらに、購入した筋肉増強剤による悪影響か、肘の腱を痛め、同年に手術を受けている。脛のみならず、肘にもキズがあるというわけだ。

■体重135キロの長距離砲

 ヤクルトのジョシュ・ルーキ投手(31)も過去に大スキャンダルを起こしたクチ。

「マイナー時代の2008年、パーティーに来ていた女友達を強姦した疑いで逮捕され、42日間拘留処分を受けた過去があります。ただ、所属するレンジャーズから解雇されなかったため、キャリアを継続し、2010年にマリナーズにトレードされました。ところが、そこで過去の逮捕歴が暴露されて大問題に。その結果、獲得した責任を問われて、マリナーズのスカウト部長がクビになってしまいました」

 さすがに、ヤクルトのスカウトは経緯をご存知だと思うのだが……。

 ちなみに、ジョーダンもルーキも年俸は3000万円台と格安。友成氏曰く、

「脛にキズがある選手は買い叩くことができます」

 投手ばかりなので、最後は楽天でクリーンナップが期待されるジャフェット・アマダー(29)をご紹介。

「体重135キロで“世界一重い”野球選手。年俸は3000万円。昨季は3A級に認定されているメキシカンリーグのメキシコシティ・レッドデビルズに在籍し、103試合で41本塁打をマーク。ウインターリーグでも81試合で21本塁打を放ちましたが……」

 これらの驚異的な本塁打数を真に受けてはいけない。

「標高2200メートルのメキシコシティは空気が薄いので平地より打球が飛ぶんです。おそらく12~15メートルは違うのではないでしょうか。なので、本塁打数は話半分に聞くべきです。それ以前に、重すぎる体重が災いしてケガをしがちなのが心配。早くもキャンプで手首を痛めてしまいました」

 5人とも年俸は安めだが、はたして“お買い得”なのか、それとも“ムダ金”に終わるのか。賭けてみる?

週刊新潮 2016年3月31日号掲載

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