卓球女子の彗星「伊藤美誠」心のタブーは実の父の自己破産

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“女性版父子(おやこ)鷹”とでも言おうか。母娘二人三脚でリオ五輪出場を目指す卓球の伊藤美誠(みま)選手(15)と母親の美乃りさん(40)。そのせいか、マスコミに母親も度々登場するが、なぜか、父親の姿がさっぱり見えない。そこには、複雑な事情があるらしく……。

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「自分の強みは精神的に安定しているところかな」

 美誠ちゃんは、卓球雑誌の取材で長所についてこう語っている。

「先日の世界選手権団体戦でも驚異の粘りを見せたように、人並み外れた精神力の持ち主です。2歳から指導している母親の1日7時間以上のスパルタ練習のおかげで精神力が培われたと言われています」(スポーツ紙記者)

 美誠ちゃんは、現在、大阪市の「関西卓球アカデミー」に通い、母親と暮らしている。試合の中継でも美乃りさんが応援する姿が常に映し出される。もっとも、卓球協会の幹部は、こんな話をするのだ。

「伊藤さん母娘の前で、父親の話をするのはタブーなんです。2人から父親の話は全く聞いたことがないしね。どうやら数年前に離婚したようです。しかも、結構ワケありみたいですよ」

 美乃りさんは、中学で卓球を始め、高校ではインターハイに出場。短大を出た後、同い年の男性と結婚した。ある親族が説明する。

「父親も卓球をやっていて、美誠が生まれた頃は、横浜に住んでいました。で、彼女が2歳の時、卓球をやりたいというので、教えることになった。しかし、当時住んでいた家は狭くて、卓球台を置くスペースはなくてね。そこで、11年前に美乃りさんの地元の静岡県磐田市に自宅を新築し、引っ越したのです」

■明るい離婚

 自宅は木造2階建て、広さは100平方メートル。金融機関から2000万円借りたが、1階のリビングには、メーカーから卓球マシンが提供され、練習場となったという。

「とにかく、美乃りさんは厳しかった。例えば、美誠が転んで膝を擦り剥いたとする。それが母親にバレたら大変。『どうして転んだの。卓球の練習ができなくなるでしょ!』と叱られるのです。試合に負けたら1時間、2時間説教されることも珍しくなかった」(同)

 一方、父親は美乃りさんとは対照的で、物静かな人だという。磐田市の卓球関係者が明かす。

「父親は会社員でしたが、4、5年前に離婚。磐田の家を出ることになった。その時点で美誠が卓球で良い成績を残し始めていたこともあり、縁あって名古屋にある卓球用品の専門店で働くことになりました。これで一件落着と思ったら、今度は2013年の夏に自己破産してしまったんです」

 離婚後に自己破産とは不可解である。美乃りさんによれば、

「明るい離婚で、(彼とは)今も時々会ってますよ。自己破産の原因ですか? 離婚後も彼が住宅ローンを負担していて、それが払えなくなったためですよ」

 自己破産後、スパルタ練習場でもあった自宅は美乃りさんが資金を工面し、買い取ったという。

「父親は、美誠の試合を観に来ていますよ。美誠の方は、お父さんがいなくなってもメソメソするようなことはありません。大した子だよ」(先の親族)

 美誠ちゃんは、やはり強靭な精神を持つ子である。将来、父親に立派な家をプレゼントすればよい。

「ワイド特集 春色の時限爆弾」より

週刊新潮 2016年3月24日号掲載

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