“保育園落ちた”でしくじった「塩崎厚労相」

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「ヤジをお言いになった皆様も含めて、ご覧になっていただければと思います」

 3月9日、保育園の整備を求める一般のママたちから、約2万7000人分の署名を手渡された塩崎恭久厚労大臣は、こうチクリとクギを刺された。

「あれじゃ、まるで自民党が子育て支援に熱心に取り組んでいないみたいな印象を与えかねませんよ」

 とは、自民党関係者。

「塩崎さんは、この日の午前中の衆院予算委員会で民主党の山尾志桜里さんに署名を直接、受け取ることを提案され、急遽セッティングしたんです。が、ママたちの真剣な訴えを終始、ニヤついた顔で聞いていたばかりか、ヤジの件で嫌味まで言われてしまった。その様子がテレビで報道されたことで、自民党内で彼への批判が起きています」

 2月29日の衆院予算委員会で、山尾氏が「保育園落ちた日本死ね!!!」と書かれた匿名ブログを取り上げたことから始まったこの騒動は、ジワリと政権に堪(こた)えている。

「安倍晋三総理が“匿名なので、確かめようがない”と答弁したこともさることながら、自民党席から“書いた奴、連れてこい”などとヤジが飛んだことも、ママたちの怒りに火をつけてしまった。実際は、安倍政権の方が民主党政権時代よりも子育て支援に力を入れているのに、すっかり野党の餌食」(同)

 もっとも、この騒動を巡ってワル目立ちしたのは、塩崎大臣だけではない。

「この2月に育休から復帰した共産党の吉良佳子議員が保育園に落ちたことをアピールしましたが、収入の高い国会議員なら当然のこと。それでも、同じ経験をした民主党の議員が続々と国対に名乗り出ているそうですから、要するに皆、目立ちたいだけ」(政治部記者)

 ママのため息が聞こえる。

週刊新潮 2016年3月24日号掲載

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