“米国最大の脅威”に伸し上がった「金正恩」ミサイル

国際 韓国・北朝鮮

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 事前通告もなしに“水爆”実験をやったかと思えば人工衛星と称して長距離弾道ミサイルを打ち上げる。国連安保理で制裁が決まれば数時間後には日本海に向けてミサイルを発射してみせる“逆ギレ国家”北朝鮮。

「北朝鮮のミサイルが核弾頭を搭載できるかどうかについて、アメリカ政府は否定的です。が、米国本土を窺えるかのごとく振る舞う北朝鮮に対し、制裁決議後の世論調査では、北朝鮮がイランを抜いて〈米国に脅威を及ぼす最大の国〉となりました」(国際部記者)

 核合意後のイランが数字を下げる一方、北朝鮮は米国民の44%が“脅威”と見なし、トップに躍り出たのだ。

 折しも7日から始まった米韓軍事演習。30万人以上が参加、史上最大規模で行われる今回の演習には、米軍の原子力空母や原子力潜水艦など最先端兵器が駆り出され、金正恩第一書記を直接狙う“斬首作戦”の特殊部隊も参加するとされる。

「この演習に対して北朝鮮の国防委員会は核ミサイルによる先制攻撃も辞さない、総攻勢を仕掛ける、とヒステリックなほどに反応しています」(同)

 だが、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は言う。

「さすがにそんなことをすれば、一瞬で国が崩壊することは金正恩もわかっています。北朝鮮は兵数120万と自称していますが張り子の虎。だからこそ核に固執せざるをえないのです」

 では、最も考えられる北朝鮮の行動とはなにか。

「短距離ミサイルを日本海に撃ち込む、準中距離ミサイル“ノドン”を撃つ、などですが、彼らが最もやりたいのは米本土を狙う新型長距離ミサイル“KN-08”の初の発射実験でしょう。公海に落ちようとも立派な国連決議違反ですが、強行の可能性はあります」(同)

 一歩間違えば滅亡、という綱渡りをまだ続ける気か。

週刊新潮 2016年3月17日号掲載

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